インスマウスの影ってどんな話?-クトゥルフ神話を要約その2
クトゥルフ神話と言えばラヴクラフトですが、クトゥルフ神話TRPGはやっていても、ラヴクラフト作品を読んでない人って結構いるのではないでしょうか。
恥ずかしながら、僕もそうでした。と言うわけでラヴクラフト作品を読んでいるのですが、中々に難しい!
しかし、読んでみると面白かったりします。なので、今回は、クトゥルフ神話系の作品を読んでみた感想などを書きます。『読んだけど、もう一度雰囲気を思い出したい人』とか、『ラヴクラフトのなんとなくの雰囲気』を知りたい人はSANチェックしながら見て頂けると嬉しいです。
最初に、ネタバレにならないように、『オススメ具合』を書き、その後に物語をザックリと書きますので、ネタバレ嫌な人は『オススメ具合』を読んだら、ブラウザバックしてくださいね(読んだ媒体や訳などの違いで、多少、物語や登場人物の名前が違っている場合もありますがご容赦ください)
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そんなわけで今回紹介するのは『インスマウスの影』です。
【オススメ具合】
本編、約129ページ。少し長いかなと思う人もいるかもしれませんが、これを読めば、ネットでネタにされているインスマウス(インスマス)のことが一発でわかります。一言で言うとインスマウス観光ガイドです。
お馴染みのインスマウス面(インスマス面)や、深きもの、ダゴン秘密教団についてわかるので、前半は少し長いなって感じるかもしれませんが、後半からは一気に話が進んでハラハラします。
あと、何気に最も映像化などされている作品なんじゃないでしょうか(映画、ショートフィルム、ゲーム、ボードゲーム、ミュージカル、日本では佐野史郎さんが演じたこともあります)
この作品は、ラブクラフト全集1に載っています。あと、漫画にもなっているのですが、まだ入手していないので、入手したら、その時はこの記事は書き換えます。
【1,2,3,4で説明するインスマウスの影】
では、ここからはネタバレページになるので、見たくない人はブラウザバックをお願いします。
【1:不吉な噂が漂う町】
旅行好きの僕は、成人になったお祝いに、母の出身地であるアーカムに行こうと思ったが、その手前のインスマウスという町に興味を持った。
『普通の地図には載っていない』、『誰もが不吉な町だと噂する』その街は、僕の興味をそそるのには充分すぎるくらいで、実際に、バスで行ってみることにした。
インスマス行きのバスに乗ると、魚っぽい顔のバスの運転手から匂う、魚臭さや不気味さに、少しの後悔はあったも、もう既にバスはインスマウスに向かっていった。
【2:住民の話】
バスを降り、インスマウスについた僕は、天気は良いのに、荒れ果てていて寂しい町を歩いた。
町はずれは寂しいのが当たり前だが、建物が密集している場所でさえ、誰かがは住んでいる様子はあるが、虫に食い荒らされたように、ボロボロになった屋根もあれば、廃止になり、錆びついた線路。電線がついていなく、倒れそうな電信柱……海岸の至る所にに波止場の残骸が転がっている。
そういった中で、皆、独特の顔つきをしている大人たちが蛤を取ったり、雑草が雑に生い茂った戸口で遊んでいる子供たちを見た瞬間、陰気な建物を見た時よりも不安に感じた。
また、町では人の話し声は聞こえない。それなのに家の中から、それも釘打ちされて使われていない家の中から、えたいのしれない音が聞こえてくる。
せかせか走る音。きしむ音。色々な音に気味が悪くなりながらも、みずぼらしいホテルにつき、荷物を預けた。
町で買い物をしていると、雑貨屋の店員が話しかけてくれた。
この町では珍しく愛想のよい青年に僕は、色々とこの町について聞いてみた。
店員曰く、『自分はこの町の人間ではなく、会社の命令で仕方なく、ここで販売をしている』とのこと。
他にも『この町の人間は、見知らぬ者には敵意を持っており、よそから来た者で、行方不明になった人もいる。
住民は異常に水が好きで、みんな同じような顔になっていく。
更に言うと、この町で見かける不気味な顔よりも、更に不気味な連中がいて、どこかにと閉じ込められている』
と店員は教えてくれ、『この町のことなど、誰一人教えてはくれないが、町の北側のあばら家に住んでいる、96歳の酔っ払いの老人なら喋ってはくれる』と言った。
その老人に会いに行こうと思った。
ただ、僕はこの時点で、もうこの町から逃げ出すことを考えていた。
僕は町を歩き、店員が話してくれた、酔っ払いの老人に会った。最初は適当な話しかしてくれなかったが、酒を奢るうちにこの町について教えてくれた。
「この町は昔、不景気だったが、海の化け物に生贄を捧げることで発展した。それから若者が行方不明になったり、他の町からきた船が行方不明になったりもしたが、まだ対等の取引をしていた。
幼い時、俺は何度も見た。夜遅くになると、海の方に化け物がうようよいて、この町の有力者と話をしている。
しかしある日、化け物達がこの町に一斉に上陸してきた。町には死人や犠牲者が出た。町が乗っ取られた。ダゴンの誓いを立てられ、奴らに忠誠をつくし、町のいたるところに化け物が潜み、無理やり子供を作らせ、そして、奴らに似た顔の子供が生まれる。
時が経って、役人が監視にきたり、時代の流れで町の景気は悪くなったが、それでもあの化け物たちはこの町にうようよいる」
と老人は話した瞬間、僕の方を見て、「おい。夜の海、真っ暗な地下室や屋根裏から、化け物どもが這いずり回るこの町に住みたいかね? いやいい! あいつらに知られてしまったここから逃げろ! この町から逃げろ!」
と悲鳴のような声をあげた。
僕は、急いで歩き出した。そして、少し歩いた後に、老人の居た方をチラリと見たが、もうその場所に老人はいなかった。
【3:怪物】
僕は生臭く、陰気なこの町から逃げることを決め、ホテルから荷物を受け取り、バスの方へと向かった(途中何度も住人が自分の方を見てきた)
しかし、バスの運転手は「バスが故障している。今晩中にはバスは発車できない」と言い、僕は仕方なくホテルに泊まった。
夜、ベッドで横になっていると、誰かが僕の部屋のカギをゆっくりと解除しようとしている音や、ドアの前で誰かが話し合っている声が聞こえた。
僕はその瞬間、ホテルの窓から一目散に逃げだした。
どこに行っても、遠くの方には人の集団、しかも犬を連れている集団もいる。明らかに僕を探しているのだ。しかも、その集団の中には、暗がりでよくわからないが、ケロケロ、ペチャペチャ泣くような声で喋っていて、飛び跳ねるように動いている奴もいる。
僕は必死に逃げた、どこにいても不気味な集団が僕を探しているのだが、それでも逃げた。そして、月上りが照らし、奴らの姿が良く見える場所で、僕は集団の真の姿を確認した。
ケロケロ、ウォーウォーと吠え、騒がしく飛び跳ねている奴らの姿。腹は白く、体全体は灰色がかった緑。頭は魚で、爬虫類の体。その首の両ワキにはエラガあり、非常にグロテスクな姿の生物が集団で吠えている。
常識離れした姿を目にした僕は、不思議と親しみが持てない……という姿ではないことを感じてしまった。
それはなぜか? 恐ろしいはずなのに? なぜなんだ? 頭の中が混乱していき、その疑問に答えをだす間もなく。僕は失神した。
【4:おかえりなさい】
昼になって目が覚めたが、幸いにもあたりには誰もいなかった。
僕は急いでこの町を離れ、この出来事について役人などに話した。
そして、アーカムに戻った僕は一つの事実を知る。系図を辿っていくと、どうやら僕の先祖はインスマウスの人間だった。
そうなると僕はいつかはあの魚の化け物たちの仲間入りをし、一緒に海の中に行くのだろうか。
自分の中に、恐怖が侵食していくのを払拭するように必死に仕事に精を出したが、その恐怖を振り払えず、心を病み、精神病院に入った。
そんな中である日、僕は夢を見た。祖母と海底で出会ったのだ。
祖母は温情を込めて僕を迎えてくれた。祖母は「私は死んだわけではなく、この水中でずっと暮らしている」と言った。
そして、僕は起きると、完璧にあの不気味な町にいた住人のような顔になり果て、この病院を脱出することにした。
それがいいことなのだ。
あの夢のような海底の世界に行けるという光栄が自分を待っている。そして永遠にそこで生活をするつもりだ。
〈インスマウスの影……終〉
僕:※特に名前はない。
この物語の主人公。
店員:※特に名前はない。
色々とこの町のことを話してくれる貴重な人物だが、名前はない。
老人:ザトック・アレン
この町の住民で、少し頭がおかしくなっているが、この町の故郷愛もありつつ、この町の在り方を否定している。何気に長寿。
【感想】
ラストが意外な急展開だったので、最初読んだときは時は「????」ってなりました。
話しの殆どが街の案内ですが、しっかりと街の様子が説明されていて、ゲームのオープンワールドなどで見てみたいですが、凄い不気味そう……。
こんな感じで、ラヴクラフト初心者の僕が、ラヴクラフト関係の話を簡単にまとめていますので、良ければ見てくださいね!
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