TRPGのフレーバーってなに?
フレーバーとは、TRPGにおける『世界観を味付けするもの』で今回はこれについて自分なりに解説します。
そもそも『フレーバー』とは、『食料や紅茶などに香りづけをするもの』で、それがあると料理などが更に味付けされ、食事を楽しむことができます。
では、TRPGにおけるフレーバー(世界観を味付けするもの)とは、どういうものなのでしょうか。自分なりに簡単にまとめたので、よろしくお願いします!
どんなのがフレーバー?
・人物に設定を付け加える
基本的にはコレです。
例えば、『山田 太郎』というキャラがいて、彼が『伝説の陰陽師の末裔』とします。
しかし、伝説の陰陽師の末裔だったからと言って、陰陽師の力が使えるわけではありません。
他にも『財閥の御曹司で、好きに金が使えるキャラ』とかでも、実際にシナリオ中に使える金が無限にあるわけではありません。このようにステータス上に反映されないものを『フレーバー』と言ったりします。
他にも自分がクトゥルフ神話TRPGイベントを主催した時に、小学生とプレイしましたが、そこで小学生が作ったキャラが三つ首の人間でした。
その時、僕は「このキャラでもいいけど、三つ首だからって、ステータスは上がらないかし、町の人達も君のことを神話生物じゃなくて普通の人間として接するし、SANチェックとかしないからね。フレーバーだからね」と言ったこともありました。
・行動に味付けする
例えば、女の子のキャラが、仲間にスカートをめくられそうになり、思わず殴るシーンをするとします。
実際にTRPGで攻撃する場合はダメージが減ったりするのですが、プレイヤーが「こういうシーンやりたいです!」みたいな感じで提案し、GM(ゲームマスター)も「いいよ! あくまでもギャグシーンだからダメージは計算しないよ」みたいなやり取りもフレーバーかなと僕は思っています(まあ茶番というのかもしれませんが)
他にもモテすぎる男キャラが、ファンにもみくちゃにされるとかもゲームマスターが許せば、ダメージは受けず『フレーバー』として終わる、なんてこともありました。
・世界観に設定する
例えば、プレイヤーたちに屈強な騎士団の団長から、洞窟の調査の依頼が入るとします。
「今は動くことはできないが、あと、数時間後に我が軍の精鋭の部隊が援軍に向かう。だが先に君たちに調査に行ってほしい」
みたいなことを、団長(NPC)が言った後に、GMが「あ、このシナリオ中に援軍にくることはないです」とメタなこと言う、『あくまでも屈強な騎士団だよって色付けしたかっただけであり、シナリオ上にはまったく関係ないという』と、こんな感じのもフレーバーかなと僕は思っています。
NPCについてはこちらをどうぞ→NPCってなに?
フレーバーのなにが楽しいの?
このフレーバですが、結局のところ、シナリオ中に有利になることはそうそうありません。
じゃあ、何が楽しいんでしょうか。一言で言うと、キャラクターに深みが加わり、ロールプレイをしていて楽しいです。
・ロールプレイをしやすい
例えば、現代なのに、自分が伝説の伊賀忍者の末裔で、自分も忍者のキャラとします。
忍者だからといって、実際にステータスが素早くなるボーナスが貰えるわけではありませんが、シナリオ中、ちょっとした時にアイデアが閃いた瞬間「あ、そういえば昔、我が家に伝わる地の書で見たことがある……」とか、敵が魔術を使ったときに「あれは、忍術! 奴もまた忍びか!」
アーティファクトや魔導書の類を見つけた時は、「これを家宝にし、我が屋敷の収集品の一つに加えようぞ」などとロールプレイがしやすくなります。
僕は昔、貴族でお腹が弱いというキャラを作ったのですが、「人を見下す瞬間、お腹が痛くなる」というロールプレイをしましたが、ステータスが不利になることはなく、あくまでもフレーバーとして処理してもらいました(もちろんお金も最初から多くもっていません)
ロールプレイについてはこちらをどうぞ→※ロールプレイってなに?
・関係性を作りやすい
例えば『金持ち貴族』というキャラクターを作った時、他の仲間がそのキャラクターに媚びを売る人間もいれば、態度が悪い人間もいるかもしれません。
他にも、プレイヤー1が『女をすぐ落とせる能力』を持ったキャラクターを作ったとします(これはフレーバーなので、シナリオ中にはその能力を使えません)
そんなキャラに対して、プレイヤー2が作ったキャラ(女)に、『その男と昔付き合っていた』という設定を加えることもできます(もちろん、これはプレイヤー同士が許せばですが)
・ダイスで適当に遊べる
例えば、先ほどの伝説の忍者の末裔のキャラが、ダイスを振ってクリティカルを出したりします
。その時に「ご先祖様が力を貸してくれた……」と言っても良いし、ファンブルの時は「ああ~ご先祖様の呪いがぁ」とか適当なことを言えたりします。
注意すべき点
以上が、フレーバーの説明となりますが、あくまでも『ステータスがメイン』ということを忘れてはいけません。
トンカツだけを食べる人がいても、ソースだけを飲む人なんてそうそういませんよね? フレーバーはあったら楽しいですが、あくまでもオマケなのです。
時々、自分で作った設定をごり押ししてステータスやアイテムを要求する行為がありますが、やめた方が良いです。
もちろん、シナリオ中の聞き込みで、自分の設定を活かして(自分が刑事だから、警察関係に顔が利く程度の)アイデアを出すのは、僕は嫌いじゃないですが、ステータス変化や極端な要求になってくると違いますよね。
もちろん、GMが許可する場合もあります。『貴族だから聞き込みがしやすい。身分が低いから聞き込みが難しい』、『顔が可愛いからチヤホヤされる』などは結構今まで見てきましたが、この程度です。
『忍者の末裔だからステータスがアップ!』、『金持ちの貴族だから、所持金が無限!』、『筋肉モリモリマッチョマンの変態だから攻撃力が常時5倍!』とかは見たことがありません。というか、そんなのが通るなら作ったもん勝ちです。
もちろんGMが許可すればいいのかもしれませんが、プレイヤーがごり押しするものではないのがフレーバーだと思っています、
フレーバーは確かになくて困るものではありませんが、あると楽しくなります。そこにあなたらしい味付けがあるわけです。
目玉焼きだって、自分の好みで醤油をかけますよね。それと同じです。
え? 目玉焼きには塩? ソース? ケチャップ? もう好きにかけてください! ただし、なにをかけても、あなたの体調(ステータス)はそこまで変わりませんけどね!
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