クトゥルフの呼び声ってどんな話?-クトゥルフ神話を要約その1
クトゥルフ神話と言えばラヴクラフトですが、クトゥルフ神話TRPGはやっていても、ラヴクラフト作品を読んでない人って結構いるのではないでしょうか。
恥ずかしながら、僕もそうでした。と言うわけでラヴクラフト作品を読んでいるのですが、中々に難しい!
しかし、読んでみると面白かったりします。なので、今回は、クトゥルフ神話系の作品を読んでみた感想などを書きます。『読んだけど、もう一度雰囲気を思い出したい人』とか、『ラヴクラフトのなんとなくの雰囲気』を知りたい人はSANチェックしながら見て頂けると嬉しいです。
最初に、ネタバレにならないように、『オススメ具合』を書き、その後に物語をザックリと書きますので、ネタバレ嫌な人は『オススメ具合』を読んだら、ブラウザバックしてくださいね(読んだ媒体や訳などの違いで、多少、物語や登場人物の名前が違っている場合もありますがご容赦ください)
ラヴクラフトについてはこちら→ラヴクラフトってだれ?
そんなわけで今回紹介するのは『クトゥルフの呼び声』です。
【オススメ具合】
本編、約54ページ。普通にオススメです。探索、冒険、恐怖がギュッと詰まっているので、なんというか非常にクトゥルフ神話TRPGらしい作品かなと思っています。
途中でキャラの視点が変わるのですが、もし、キャラクターを一緒にしたら、完璧にTRPGっぽいですね。特にラストの疾走感が凄い好きです。
あと、入手しやすい。
ラブクラフト全集2に載っていますし、クトゥルフ神話TRPG(6版)のルールブックにも掲載されています。漫画とかにもなっているので、どの入り口からでも発狂できます。
【1,2,3,4で説明するクトゥルフの呼び声】
では、ここからはネタバレページになるので、見たくない人はブラウザバックをお願いします。
【1:僕の大叔父が死んだ】
僕の大叔父はブラウン大学の名誉教授だったが、ある日、事故死した。みんなはよくある事故死だと言ったが僕には納得がいかなかった。
大叔父の遺品や書類を整理していると、奇妙な粘土板を発見する。奇妙な文字とタコと龍が彫られている。
それとは別に『クトゥルフ教のこと』と書かれているノートや新聞の切り抜きがあった。
【2:奇妙な青年】
大叔父は生前、奇妙な青年と会っていた、青年曰く「この粘土板は、夢の中で現れた都を見ながら作りました。毎回恐ろしい夢も見るし、クトゥルフ・フタグンって声も聞こえるんです」とのこと。
青年は毎晩大叔父に夢の内容を聞かせる。青年の言葉からわかったことは「クトゥルフ」と「ル・リエー」という謎の単語だった。
ある日、青年は高熱でうなされて意識不明となる。こういう症状は奇妙な夢を見た日にはよくあることだった。
そして、意識が回復したその後、青年は奇妙な夢を見なくなった。
この青年が来た時期を世界的に調べてみると、自殺事件や発狂、芸術家が夢の風景を描いた作品を発表したり、他にも色々と奇妙な事件が集中していた。
【3:警部の話】
この事件を調査していくうちに、一人の警部がこの事件に関連していることを知った。
昔、警部は邪教の集団を捕まえた、邪教の集団は、奇妙な石像を持っていて、それはタコと龍をあわせたかのような像だった。
そして警部は、ある呪文のような言葉を聞いた。
『フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン(死せるクトゥルフがル・リエーの家で、夢見ながら待っているという意味らしい)』
捕まえた邪教徒の一人が言うには「私たちの神は人類誕生前にやってきて、今は海の底で眠っている。しかし、星の配列が正しい位置に揃った日、海底の大いなる都は浮上し、都に眠るクトゥルフは立ち上がり、再び地球の支配者になる。しかし、外部からの協力が必要で、クトゥルフは思念を人々に飛ばしている(そして、思念を飛ばされた人間は殆どが頭がおかしくなる)」とのこと。
【4:航海士の話】
大叔父と警部の事件を知って、僕は大叔父と話していた青年に会いに行ったが(青年は本当は嘘つきで大叔父を騙していると思った)、青年は大叔父を騙すような人ではなく良い人だった。
彼への誤解が解けたそんなある日のこと、たまたま見た新聞の記事に興味深いものが乗っていた。
記事には『海賊船と死闘を繰り広げた船が発見された』と奇妙なタコと龍をあわせたかのような石像の写真が添えてあった。
僕はこの事件の唯一の生存者である航海士に会いに行ったが、彼は死亡していた。
その航海士の手記には「海賊船との戦闘は楽勝(2名犠牲者を出したが)だった(しきりに海賊船は「引き返せ」と叫び、いくら被害がでても、無我夢中で襲い掛かってくるのは怖かったが)、戦いが終わった後になぜ海賊船の連中は「引き返せ」と言ったのか不思議に思い、そのまま前進すると、海上に浮かぶ、石の都に到着した。
そこは巨石と海草と泥土の混じった気味の悪い空間で、いつ転落してもおかしくない気味の悪い空間だった。
その瞬間、巨大な龍のようなタコの化け物が出現した。恐怖に支配されショックで死ぬ者、巨大な爪に潰された者、狂いながら逃げ纏い、石の中に転落し、呑み込まれた者、結局、二人だけが船に戻った。
船で必死で逃げようとしたが、化け物が追跡してきた。
自分は屈しなかった(この時、もう一人の船員は気が狂い、後に死んだ)。自分は、イチかバチか、船を化け物に突撃させた。その瞬間、化け物は砕けたが、また再生しようとしている。だが、その隙を見て、自分は必死に逃げ出した」
ここまで読んだ僕は思う。大叔父は本当に普通に死んだのか? 知ってはいけない秘密を知りすぎて、邪教徒たちに消されたのではないだろうか? この世界ではそういったことが行われているのではないだろうか? そして、いつか、クトゥルフが完璧に目覚め、この世界は終わってしまうのではないだろうか? これだけ知りすぎた僕は、もしかしたら誰かに消されるのではないだろうか?
考えたくない……。ただ、僕が死んだら、この記録は誰の目にも触れさせずに処理してほしい。
〈クトゥルフの呼び声……終〉
僕:フランシス・ウェイランド・サーストン
この物語の主人公。
大叔父:ジョージ・ガムメル・エインジェル
主人公の大叔父。ブラウン大学の教授。
青年:ヘンリー・アンソニー・ウィルコックス
粘土板を持ってきた青年。
警部:ジョン・レイモンド・ルグラース
邪教徒の集団に突撃をかまして、邪教を潰した警部さん。
ウィリアム・チャニング・ウェップ
教授。
その昔、悪魔崇拝をしている種族に遭遇(本記事には書いていません)
航海士:グスタフ・ヨハンセン
クトゥルフに船で突撃をかました、唯一の生存者。
【感想】
かなりコンパクトにまとめたのですが、読み返してみると、ル・リエー(ルルイエ)に到着した下りからの疾走感は本当に大好きです。クトゥルフが本当に大立ち回りする爽快感を感じました(SFで怪獣が暴れまわる感じ)
こんな感じで、ラヴクラフト初心者の僕が、ラヴクラフト関係の話を簡単にまとめていますので、気になった方は購入してみてくださいね!
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