クトゥルー1(暗黒神話体系シリーズ)を紹介ーTRPGグッズその17
今回は番外編と言うことで、今まで買ったTRPGグッズの一部を紹介します。
紹介する基準は、TRPGに使えそうな物、TRPGの世界観をイメージして作られたグッズ、そのどちらも紹介していきます。
今回紹介するのは青心社より『クトゥルー1(暗黒神話体系シリーズ)』です。
ラヴクラフト全集とは違い、ラヴクラフト含む、様々な作家による、クトゥルフ神話の話が書かれています。
では、今回もどんな話があるのかを、超ザックリ、ふわっとした感じで説明します。
ちょっとのネタバレもいらないって人は、ここから読まないことをオススメします。
【クトゥルーの呼び声】
作:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
僕の大叔父が死亡した。
大叔父はブラウン大学の名誉教授だった。みんなはよくある事故死(人と衝突した)と思ったが僕には納得がいかなかった。
大叔父の遺品や書類を整理していると、不気味な粘土板を発見する。奇妙な文字とタコと龍の画像がある。それに加え『クトゥルフ教のこと』と書かれているノートや新聞の切り抜きがあった。
クトゥルフ神話TRPG(6版)にも載っている、『クトゥルフの呼び声』です。探索あり、邪教あり、アクションあり、発狂あり、と非常にTRPG風味が強く面白いです。
【破風の窓】
作:ラヴクラフト&ダーレス
生前、従兄から屋敷を譲り受けた。
ただし、彼からの手紙には、『屋敷にある破風の窓ガラスは粉微塵に破壊してくれ』と書かれていた。
私は興味本位で調べることに。
ラヴクラフト&ダーレス合作とのことですが、ダーレスの世界観で書かれています。
そのため、「あれ? これシャンタク鳥だけど描写が違う」、「これクトゥルフなのかな?」とラヴクラフトの設定とは違う部分があります。
ただ、非常に読みやすく、オチもわかりやすいため、ワクワクして詠み終えました。
【アロンソ・タイパーの日記】
作:ウィリアム・ラムリー
ある日、倒壊した不気味な屋敷から、突如行方不明になったアロンソ・タイパーの日記が発見される。
それはこの名状しがたい冒涜的な屋敷を探索した時に体験した凄惨な事実が書かれていた。
ラヴクラフトが添削した作品ですが、もう教科書通りのラヴクラフト作品です。
ただ、そこまで登場人物や長々とした歴史などもそこまで語られることなく、結構、クトゥルフ神話TRPGチックなシナリオで好きです。
【ハスターの帰還】
作:オーガスト・ダーレス
「私の遺言は必ず守ってもらいたい。あの屋敷を爆破してくれ」
その老人の一言から事件は始まった。
ハスターについて書かれた小説です。
作中、ラヴクラフトの名前とラヴクラフト作品で起きた事件が混ざり合います。
また、クトゥルフ神話の神々を属性わけしたり、旧神VS旧支配者の構図になってしまっていたり、と、わかりやすく分類わけされているのですが、人によっては、ラヴクラフト特有の『未知の恐怖が浸食してくる』みたいな構図がなくなり、人によっては萎えてしまうかもしれません。
【無人の家で発見された手記】
作:ロバート・ブロック
あいつらが家の中を取り囲んでいる。家が揺れている。あいつらがぼくをつかまえにくるんだ。
怖い。
めちゃくちゃ後味の悪さがホラーとしての完成度が高いです。
主人公は12歳の少年の手記で構成されているので、文章自体読みやすい。
また、劇中、少しの希望と絶望が浮き沈みして進んでいくのも面白かったです。
【博物館の恐怖】
作:ヘイゼル・ヒールド
思えば、あの博物館で、馬鹿げた賭けをしたのが全ての間違いだったのだ。
登場人物も少ないのでわかりやすく、また舞台が悍ましい博物館という設定も非常にわかりやすいホラーで読み易いです。
一瞬ですが、ノフ=ケーが登場(?)します。
っていうか、ラヴクラフトが代作したらしいですが、それじゃもはやラヴクラフト作品じゃないか!
【ルルイエの印】
作:オーガスト・ダーレス
会ったこともない叔父が私に財産を残してくれた。
叔父は家を二軒持っていて、その内の一つがあのインスマウスだった。
クトゥルフ信者の心情や、深きものになっていく過程、インスマウスの情報などが整理されている物語となっていて、資料として、参考になる部分が多くあります。
ただ、ダーレス特有のラヴクラフトが、物語の中に実際にいる設定が僕的には好みではないのですよね。
【クトゥルー神話の神神】
リン・カーターによる邪神などの歴史やそれぞれの神の解説などが書かれています。
ルールブックの神格一覧みたいな感じで非常に楽しめますし、ルールブックに書かれていないこともあり、参考になりました。
【クトゥルー神話一一遠近法の美学】
大瀧啓裕による、クトゥルー神話の物語内の、地球の歴史を解説しています。
非常にわかりやすくまとめられており、神話生物に詳しい人なら「あ、この神話生物か」とすぐにわかります。
【まとめ】
良かったです!
当たり前ですが、クトゥルフ神話TRPGに出てくるものばかりなので、ワクワクしながら読めました。
ラヴクラフト全集よりは、ニッチな感じが少なくなっているイメージです。
ラヴクラフト全集に比べ、色々な人の手が加わってクトゥルフ神話が出来たかを連想できるな一冊だと思いました。
と言っても、ラヴクラフトの手が加わっているので、なんとも言えないのですが、交友の広さが伺えて背景も楽しめます。
また1巻目から、ハスターやクトゥルフなどの有名どころの神が登場し、オススメの一冊ですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません