クトゥルフ神話TRPGってなんでこんなに流行っているの?

2024年6月3日

TRPGは何百種類あれど、世間では、クトゥルフ神話TRPGが面白い、魅力的と言われていたり、流行っていたりします。

今回は、なぜそうなのかを紹介しますが、僕の主観というよりは、様々な意見を集めてみたものです。

また、あくまでも人気であること対しての疑問を答える記事であり、他のTRPGの評価を下げる記事ではありません。
面白いTRPGは無数にあります。

【ざっくりとした歴史】

もともとはアメリカが発祥でした。

1981年に、アメリカのゲーム会社『ケイオシアム』が製作したものです。

1986年以後、アメリカで制作されたものが日本でも和訳され、『クトゥルフの呼び声』がホビージャパンから初めて発売されました。
もちろん、今のバージョンとは違いますが、その原型といってもいいでしょう。

が、『剣と魔法のファンタジー』が主流だった時代のため、全然大人気というわけでもなく、かなりサブカルなゲームでした。

※この当時、TRPGしていた人に聞くと「え、なんでクトゥルフがブームになっているの?」とよく驚かれます。


2004年に、今のブームの火付け役である『クトゥルフ神話TRPG(6版)』がエンターブレインから発売のですが、まだこの時は、動画などはありましたが、まだブームの火は燃え上がってはいません。

2011年、ニコニコ動画にて、なんとかかんとかさんが投稿した「ゆっくり達のクトゥルフの呼び声TRPG」がめちゃくちゃメガトンヒットします。
僕もこの動画からクトゥルフ神話TRPGにハマり、色々な動画を食い漁りました。
※ハッピトリガー、インスマス探偵など、色々な単語が飛び交いました。

さらに、動画はもうないのですが、朝霧かっちゃんさんによる『ゆっくり妖夢と本当はこわいクトゥルフ神話』もノベル化されるほどの人気でした。
※後に、『文豪ストレイドッグス』の原作者になっていたときはビックリしました。

ここで一気にTRPGブームが起き、もはやサブカルな遊びとも言い難い世界となります。
ニコニコのランキングとかもTRPG動画かなりありましたね。

因みに謎の文化として、ボイスはゆっくりボイスなのですが、動画化する時に、アニメや漫画のキャラがプレイヤーを演じることが多かったです。

もともとは、アイドルマスターのキャラクター達がTRPGをやる動画が多かったのですが、そこからゆっくり、既存のアニメキャラなども交じり合い、今思うとなかなかにカオスでした。

他にも、セッション内で起きたことが、プレイヤーたちの世界にも侵食してくる動画とかもチラホラあった気がします。
今思うと、リプレイ動画というよりは、一つのドラマみたいな動画が多かったです。


2012年、『這いよれ! ニャル子さん】がアニメ放送されたことにより、世の中の人に更に『クトゥルフ神話』というものが根付いていきます。
※この頃、友人と話すとクトゥルフ神話TRPGを知らなくても『SAN値ピンチ!』などの言葉は知っていました。

2015年、まにむさんが「実はめっちゃ面白いクトゥルフ神話TRPG」を投稿したことで、それでまでゆっくり動画だったのが、肉声実況(実際の声で録音したものなどを動画化)が主流になっていきます。

当たり前ですが、肉声なのでプレイヤーもキャラクターも全員オリジナルで、アニメ、漫画などの既存のキャラを使う文化などはなくなりました。
※もちろん今でもゆっくり動画はあります。

このブームは業火のように燃え上がり、ニコニコ動画を飛び越えてユーチューブにまで飛び火します。
そして、動画では飽き足らず、生放送でもTRPGの配信が行われ、色々な公式番組がTRPGをし、有名人なども遊んでいます。

※ひろゆきさんがTRPGをプレイしている動画はこちら
TRPG『カタシロ』PL:ひろゆき

そして、現在に至るまで、漫画、アニメ、解説本、イラスト、舞台、メディアミックス展開もありつつ、様々なネットスラング、文化などを生まれ、人気を保っています。

なんかざっくりと紹介のはずが、懐かしくなり、熱い感情のままに書いてしまいました……。

【なぜ流行っているのか】

では、ここからはなぜ流行っているのかを、色々な意見をまとめてみたものを紹介します。

・舞台が現代

やはり世界観がイメージしやすいのは、敷居は低いです。

壮大な世界観とかも『見るのはワクワクするけど、やるとなるとどうやっていいかわからなくて不安』という意見をありました。

特にクトゥルフ神話TRPGも最初は1930年代の設定でしたが、最近では現代用のサプリが出たり、フリーシナリオや動画もほぼ現代です。
なのでいざやってみようと思ったときに、混乱がおきにくいのかもしれません。

※ただ誤解しないでほしいのは、異世界系のTRPGで「必ず設定覚えてからこい!」なんてことはないです。初心者でもゲームマスターがキチンと補佐しながら世界設定を教えてくれます。

・イメージしやすいやステータス技能

クトゥルフ神話TRPGはキャラクターメイキングしやすいように、色々なステータスがあります。
ファンタジーゲームとかなら、攻撃力、守備力、素早さぐらいでいいものを、クトゥルフ神話TRPGは『筋力、敏捷、体力』の他にも『外見、知性、学力、体格』と細かく分けられています。
なので、キャラクターを作成するときに、数字の違いで詳細な人物像を作成し、共有することができます。

また技能なども比較的、一目でわかるような技能ばかりです。
『聞き耳』、『射撃』、『医学』などなど、これらはなんとなくどういうものかわかりますよね。

・キャラクターが人間

例えば、自分がエルフを知らないのに、エルフのキャラクターを演じる時に、どんな発言をすればいいのか困ってしまいますが、クトゥルフ神話TRPGは基本的には、プレイキャラクターはただの人間なので、あなたが普段感じていることや、思っているとことをそのままやればいいですし、職業も現代にあるものばかりなのでそこまで不安になるようなことはありません。

いうなれば、自分自身の感覚で演じれば大丈夫な設定になっています。

またそれらが、日常から非日常に巻き込まれていくのもプレイヤーとのシンクロ率が高いのかもしれません。

・動画向き

流行った理由の1つはやはりこれだったのではないのかなと思っています。

視聴者も、ルールや世界観がわからなくても『現代で、怪異に巻き込まれたお話』と、なんとなく理解しながら、見ている人もいました。

特に技能とかも、一目見ると把握できそうですよね。

例えば

A「ウォーリアーにブレードスキルをエンチャントして、ハックスラッシュします」

B「武道を使ってキックします」

だとBのほうが単純明快です。

また、成功か失敗が1d100(100面ダイスを1回振る)ってのもわかりやすいですね。

※ただこのわかりやすいルールで『動画だけ見て、ルールブック買わずにKPをやろう』みたいな勢力がこの時期は増えてしまいました。

・創作性の自由

非常にシナリオが作りやすいです。
ぶっちゃけ、やろうと思えば、恋愛、戦闘、ファンタジー、アクション、純粋ホラー、癒し、日常、色々な汎用性があります。
もちろん、それぞれに特化したTRPGはあるので、それに比べると物足りない部分はある人もいるかもしれませんが、この幅広さはシナリオを作るうえで、強いですね。

もともと、クトゥルフ神話自体がシェアワールド的な部分があるので、「クトゥルフはこうじゃなくてはならない!」ってのがなかったのも強みなのかもしれません。

シナリオを作成する側も、システム以外に、邪神や神話生物を最低限度覚えれば、それ以外はそこまで強く覚える必要はないですし(場合によっては呪文なども必要ですが)、シナリオ作りは楽なほうかもしれません。

【まとめ】

以上ですが! 勘違いしないでほしいのは、あくまでも流行った理由の紹介であって『クトゥルフ神話TRPGが楽しい! あとはクソ!』という記事ではありません!
過去、私は色々な世界観のTRPGで遊びましたが『初心者ウェルカム』なところであれば、なんだって楽しかったです。
あと、システムが複雑じゃないTRPGも無数に存在します。

そして、決して世界観が濃厚なものが悪いわけではありません。

徐々に知っていると、異世界の住民みたいな体験ができ、その世界の一部になれます。
だからこそ、今でもファンタジー、サイバー含め異世界もののTRPGが根強い人気を誇っているのでしょう。

なのでこの記事を読んだ人は、たまには、他のTRPGで遊ぶのも全然オススメであることを言いたいです。
そのTRPGから影響されて、クトゥルフ神話TRPGのシナリオ作りやキャラクターづくりのヒントになることはたくさんありますしね。

==ルールブック==

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