ラヴクラフト全集7を紹介ーTRPGグッズその16

2024年5月23日

今回は番外編と言うことで、今まで買ったTRPGグッズの一部を紹介します。

紹介する基準は、TRPGに使えそうな物、TRPGの世界観をイメージして作られたグッズ、そのどちらも紹介していきます。
今回紹介するのは創元推理文庫より『ラヴクラフト全集7』です。クトゥルフの生みの親、H・Pラヴクラフトによる、短編集その7です。

前回の紹介についてはこちらをどうぞ→ラヴクラフト全集6を紹介!-TRPGグッズその14

今回が最終巻です(と言いつつ別巻はあります)

今までの1~6がメジャーな作品どころだったのですが、この7巻は特殊で、マイナー作品、合作、初期作品、ラヴクラフトが夢の内容を書いた手紙、未完成のものなど。
まるでオマケ集のような印象を受けます。

では、今回もどんな話があるのかを、超ザックリ、ふわっとした感じで説明します。
ちょっとのネタバレもいらないって人は、ここから読まないことをオススメします。

【サルナスの滅亡】

1万年前、サルナスという華やかな都が存在したが、今やその跡形もない。

最後のオチが解説見ないとわからなかったのですが、見ると納得しました。
呪いって怖いですね。
ドリームランドってことを知らないと最初、どういうことだ?
ってなるかもしれません。

【イラノンの探求】

吟遊詩人イラノンのアイラを目指す旅の中に見た夢は……。

ちょっとしたロードムービーかなって思っていたら、いきなりのラストが本当に切なく、その一文が小説だからこそできる儚さだなと思いました。
夢や目的に対する情熱が人のエネルギーであるようなメッセージ性のある作品です。

【木】

古代ギリシアに、二人の偉大な彫刻家がいた。名はカロースとムーシデス。
その二人は時に親友、時にライバルのように研鑽しあいながら作品を作り続けたが……。

日本の怪談みたいな展開で、読んだあと「あーやっぱりか……」と納得してしまいました。

【北極星】

目を覚ますと私は、私ではなく、大理石でできた都市の住人だった。

一瞬ドリームランド関係の話かなと思っていたら、そういう感じではないらしく、中々に難しい表現しますなぁ〜って感想がでました。

【月の湿原】

湿地帯で蛙が泣き声や月を見たりすると、あの恐ろしい夜のことを思い出す。

これまた怪談っぽく、ラヴクラフトっぽい作品。
嫌な予感がする場所を掘り起こしたり工事したりすると、必ずしっぺ返しにあう系の物語です。

【緑の草原】

海に沈んでいた謎の石の中に手帳があった。
その中からは、古典ギリシア語で書かれた手帳がでてきた。

非常に不気味な入りと、不可思議な現象が綴られた手帳にワクワクする。
が、ラヴクラフト特有の「これどういうことだ?」っていう、クトゥルフ神話的な終わり方をしています。
今回出てきた化け物が、クトゥルフ神話入りしていることを祈ります!

【眠りの神】

眠りの先に、我々の想像を遥かに超えた存在がいる……

クトゥルフ神話TRPGにも載ってあるヒュプノスが登場する作品ですが、相変わらず文章が難しい!

【あの男】

芸術家を目指しニューヨークに行ったが成功することはなく、だが故郷に帰ると決めるには負けた気になる。
そんな中、あの男に出会った。

ニューヨークに行き、成功とは程遠い生活を送っていたラヴクラフトの心情がこれでもかと伝わる文章に心打たれます。

【忌み嫌われる家】

住人が精神崩壊や変死する家がある。
だが、心霊現象の類は一切ない。まるでこの家が意思をもっているように、住人の命を吸っているのだ。

前半、色々な犠牲者のエピソードが覚えきれず、後半から畳み掛けるラヴクラフト感あるなと思いました。

それにしても宇宙からの色を思い出させるような化け物でしたが、神話生物入りしてないのかな?

【霊廟】

私がなぜこの精神病に監禁されることになったのかを話そう。

難しい!
解説などで、あ、そういうことかってなりましたが、私のEDUでは中々に理解が追いつきませんでした。

【ファラオとともに幽閉されて】

マジシャンとして活躍する私は、エジプトに旅した時に、ファラオのような風貌の男、アヴドゥルに出会う。
その出会いが、私の不可解な事件への始まりだった。

正確にはフーディーニ名義で発表されたもので、ラヴクラフトはゴーストライター的な立場で発表された作品。
ですが、どう読んでもラヴクラフト作品にしか見えない、「いや、これ絶対ニャルラトホテプだろ!」としか思えない100点なTRPGチックな話で、楽しかったです。

【恐ろしい老人】

独り身の老人のところに、俺たち3人は強盗に行くぜ!

たった5ページで、読みやすいが、タイトルのせいか、この強盗が恐ろしい目にあうんだな〜ってことはわかってしまいました。

【霧の高みの不思議な家】

キングスポートにある、そびえ立つ崖の上に一軒の家がある。
ただ、その家に向かう道がない。

まさかのドリームランドと関連する記事でノーデンスがでてきます。
因みに恐ろしい老人も出てきますが、すっかり良い人になって笑うけど、恐ろしい老人って表記されていて、もはやそういう名前と化しています。

【初期作品】

ラヴクラフトの若かりし頃に作られた作品たち。
解説では『未熟な文章が目立つ』と書かれていますが、僕のEDU(教育)ではこれぐらいがちょうどいいです。

・洞窟の獣

旅行中にはぐれ、洞窟の中に迷い込んでしまった私は、獣のうめき声を聞くが……。

短くまとまった短編で非常に読み易く、オチもわかりやすいです。

・錬金術師

私の先祖は32歳になると死ぬ。
それは、大昔に、ある妖術師による呪いだった。

オチの呪いがなんなのかはわかっていたのですが、その過程である妖術師の頑張りを知った時、愉快でした。
この作品はラヴクラフトが18歳の時に執筆してるらしいです。

・ファン・ロメロの変容

鉱山で作業している私は、顔立ちが整った古代の気高いアステカ族のようなメキシコ人、ファン・ロメロと出会う。
ある日、彼と私は奇妙なリズムが聞こえる坑道の奥へと誘われるように進んでいくが……

最後まで謎が残る作品。ただ、ある意味クトゥルフ神話チックな話だなと思いました。

ラヴクラフトが出来に満足していなかった作品らしいです。

・通り

色々な人間がこの通りを作り、綺麗に彩られていく……しかし時は流れ、移民が住み着き、街は荒廃していく。

外国人嫌いのラヴクラフトらしい作品。
「物や場所に魂があるという人もいれば、そんなことないという人もいる」という、最初と最後の文章が美しかったです。

・詩と神々

人付き合いか苦手なマーシャはある日、雑誌のポエムコーナーを見ていると深い眠りにつき神々の声が聞こえる。

急にギリシア神話の神々の会合が始まり、不思議すぎる世界感でした。

【夢書簡】

ラヴクラフトが夢の内容を手紙に書き、友人たちに送ったものです。
夢だからぶっ飛んだ展開は仕方ないと思う反面、ラヴクラフト作品は夢がベースになっているものが多いなとわかる手紙です。

・ギャラモ宛書簡

私はラヴマンと共に、障気が押し寄せる穴に入ろうとするが、ラヴマンだけが穴の中にいくことに。

まんま『ランドルフ・カーターの陳述』で、驚きました。
夢からインスパイアすることって結構ありますよね。

ランドルフ・カーターの陳述についてはこちら↓
ラヴクラフト全集6を紹介ーTRPGグッズその14

・ラインハート・クライナー宛書簡その1

私はプロヴィデンス東部のシーコンク河岸で、空に目をやると、赤みがかった光が、地上に落下した。

このあと凄いワクワクする展開なのですが、夢なのでオチはありません!

・ラインハート・クライナー宛書簡その2

友人であるラヴマンの手紙を読んだ瞬間、私は驚いた。
『プロヴィデンスにナイアルラトホテップが来たら、是非会うんですよ。ナイアルラトホテップは恐ろしいが素晴らしいのです』

最初の入りからゾクゾクします。
がオチはないです。

因みに『ナイアルラトホテップ』の元になった夢ですが、僕ははこちらの方が好みです。

・バーナード・オースティン・ドゥワイア宛書簡

私はある日、はるか昔のスペインに駐屯する文官になっていた。

長い! 14ページの夢ですし、登場人物もたくさん出てきて僕にはかなり難解でした。
ただ、後半からのパニック描写がとても息を呑むものがあり、ハラハラしました……ってところで終わった! 夢だから!

・ドナルド・ワンドリィ宛書簡

悪臭放つ湿地を歩いていると無人の列車があったので乗り込むことに……。

キチンとオチがついているのに加え、最初にいる場所の情景もなんとも奇妙で好きです。

・バーナード・オースティン・ドゥワイア宛書簡その2

前回の手紙、気に入ってくれたと思います。
思い出したのですが……。

この手紙で『名状しがたきもの』という単語がでてきます。

・クラーク・アシュトン・スミス宛書簡

私は中世の町にいて、今から大勢の仲間と、異形の化け物を狩るところだった。

2ページで終わる夢。情景描写が丁寧であり、クトゥルフ神話らしいオチもついていて結構好きでした。

・バーナード・オースティン・ドゥワイア宛書簡その3

落ち着き払った男が私を屋根裏部屋に案内してこう告げた。
「確かにここには彼がいましたが、なにもしない調べない方がいい。特にそのマッチ箱には絶対に触らないことです」

夢なのにしっかりとしたホラーなオチがついていて、驚きました。

【資料:断片】

完成することなく終わってしまった作品達です。
感想だけ載せます。
全体的にクトゥルフ神話TRPGで使えそうな設定ばかりなだけにもったいないですね。

・アザトホース

詩的すぎてなんのこっちゃとなりますが、名状しがたい不気味な恐怖が侵食していくかのような文章です。
多分、ここからアザトースについて書かれるのだろうな!って思ったけど、残念ながら終わりです。

・末裔

みんな大好きネクロノミコンが登場し、それが5部しかないことや、詳細なども書かれそうなところで途中で終わってしまいました。

・本

これまた不気味な魔術書のようなものや呪文などが登場しますが、結局なんだったのかはよくわかりません。

◆まとめ◆

どこかで見たことのある作品はでてこないので、正直なところ、クトゥルフ神話として楽しもうとすると物足りなさはあります。
ただ、ニッチな楽しさ、ラヴクラフトの人となりなど、深い部分知ろうとする場合はなかなかに楽しめました。

特に夢書簡は、ラヴクラフトの交流や性格を表しているのでおススメです。
また、難解な部分があっても、どういう背景があったのかを解説されているため、それも含め楽しむのもよいのかもしれません。

==ルールブック==

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