ダゴンってどんな話?-クトゥルフ神話を要約その4

2023年12月29日

クトゥルフ神話と言えばラヴクラフトですが、クトゥルフ神話TRPGはやっていても、ラヴクラフト作品を読んでない人って結構いるのではないでしょうか。

恥ずかしながら、僕もそうでした。と言うわけでラヴクラフト作品を読んでいるのですが、中々に難しい!

しかし、読んでみると面白かったりします。
なので、今回は、クトゥルフ神話系の作品を読んでみた感想などを書きます。『読んだけど、もう一度雰囲気を思い出したい人』とか、『ラヴクラフトのなんとなくの雰囲気』を知りたい人はSANチェックしながら見て頂けると嬉しいです。

最初に、ネタバレにならないように、『オススメ具合』を書き、その後に物語をザックリと書きますので、ネタバレ嫌な人は『オススメ具合』を読んだら、ブラウザバックしてくださいね(読んだ媒体や訳などの違いで、多少、物語や登場人物の名前が違っている場合もありますがご容赦ください)

ラヴクラフトについてはこちら→ラヴクラフトってだれ?

そんなわけで今回紹介するのは『ダゴン』です。

【オススメ具合】

本編、約9ページ非常に短いです。他にもクトゥルフ神話で有名な「窓に! 窓に!」の元ネタが出てきます。

なんといっても最後1ページの疾走感が面白く、自分自身要約していてとても楽しかったどころか、今回少し心理描写を付け加えてしまいました。

「結局あれってなんだったの?」とは思うのですが(クトゥルフ系の話はそういうのが多い)、9ページしかないので、雰囲気を知りたい人はサクッと読めるのでオススメかなとは思います。

この作品はラヴクラフト全集3に載っていますので、興味のある方は是非読んでくださいね。

【1、2、3、4、で説明するダゴン】

では、ここからはネタバレページになるので、見たくない人はブラウザバッグをお願いします。

 

【1:今日の夜までには私は自殺しているだろう】

今、神経がはりつめながらこれを書いている。金もモルヒネもつきた私は死ぬことでしか楽になれない。
今日の夜までにはこの屋根裏部屋の窓から、身を投げることだろう。

だが私は頭がおかしくなったわけではない。あの名状しがたい恐怖の体験をしたならば、モルヒネや死ぬことで楽になりたいと誰もが思うからだ。

【2:謎の大地】

大戦中、広々した海域で、私が船荷監督していた定期船がドイツの襲撃艇に拿捕された。しかし、私は捕まって5日後に小さなボートで単身逃亡した。
自由になれたが、自分がどこにいるのかさっぱりわからず、見渡す限り何もない海に絶望しながらも、疲れで眠ってしまった。

目を覚ますと、黒いぬるぬるとした泥の中に半分沈んでいた。遠くを見渡すと同じような光景が続いていて、周りには腐敗した魚の死体が散らばり、ボートは泥で座礁し、身動きが取れなくなっていた。
数時間、私はボートに座って、自分の不運を嘆いていたが、時間がたつにつれ、周りの泥が固まっていき、その上を歩けるようになった。私は救助を求め歩き出した。

少し歩くと、遠くの方に丘が見え、それを目標に歩いたが、何日たっても近づいていないように思えた。しかし、4日目にしてようやく丘の麓にたどりつき眠った。

【3:石と化け物】

その夜、冷や汗をかくほどの、二度見るのも耐えられない夢を見た私は、すぐに目を覚ました。
あたりは、まだ暗黒の世界が続いていたが、もうそれ以上は眠らないことにし、恐怖を忘れるかのように、闇夜の中を更に進んだ。

暫く進むと巨大な石のようなものがあった。月の光を浴びて白く輝くそれには、見たこともない象形文字のようなもので、海の生物が書かれていた。

私が巨大な石の前でじっと立ち尽くしていると、巨大な何かが姿を現した。人間のような形をしているが、自分よりも何倍も大きく、魚のような顔をしていて、その身体は鱗に包まれている。
その化け物が巨大な石に向かって勢いよく向かい、石の前にくると不気味な音を発した。

その瞬間、私は無我夢中で走りだし、座礁したボートまで戻っていった。途中何があったかは詳しくは覚えていない。大嵐の中を大きな声で歌ったり、馬鹿笑いしていたことなどは微かに覚えている。

【4:窓に……】

意識を取り戻した時には、サンフランシスコの病院にいた。アメリカ船に救助されたらしい。
救助された時には泥の陸地はなく、私が体験した話は誰に言っても信じてもらえなかった。

私はあの恐怖からモルヒネを多用することになった。モルヒネは全てを幻のようにしてくれる。もしかしたらあの出来事も幻だったのかもしれない。ボートの中で日射病でうなされて、幻覚を見ていたのかもしれない。いや、違ういつもあの光景が眼前に蘇ってしまう。今この瞬間もあの巨大な化け物がねばねばとした海底を這いまわり、巨大な石を崇拝し、その姿を見た私を探しているのかもしれない。私は夢に見たのだ。奴らが海面まで登ってきて、何匹何匹も登ってきて、人類を海の中に引きずり込み、あの泥のような大地が世界を呑み込んでしまう夢を。

そうだ。そろそろ蹴りをつけよう。窓から身を投げ出し、この呪われた世界から解放されるのだ。なんだあの音は。誰かが、いや何かがドアを押し破ろうとしている。いや押し破ったところで私の姿を見つけられはしない。早く窓から身を投げ出さないと。いや、あの手はなんだ! そんな! 窓に! 窓に!

ダゴン……終

私:※特に名前はない。
この物語の主人公。

【感想】

改めて読むと本当にクトゥルフ神話らしいなって思うし、その雰囲気が9ページでわかるのが面白いです。もしクトゥルフ眷属関係の話が知りたい人は、この話の他にもクトゥルフの呼び声インスマウスの影も読んでみてほしいなと思います。

こんな感じで、ラヴクラフト初心者の僕が、ラヴクラフト関係の話を簡単にまとめていますので、良ければ見てくださいね!

==ルールブック==

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