クトゥルフ神話TRPGのKPに必要なことってなに?
以前、ゲームマスターに必要なものってなに?という記事を書きましたが、今回はクトゥルフ神話TRPG基準を、自分の経験をもとに紹介します。
今まで8年以上は、初対面の方とプレイしてきたので、何かしらの参考になれば嬉しいです。
結果、書いていて、すっごっく長くなっちゃった! すいません!
【0:今から説明することに縛られる必要はない】
・心許せる友達が大事
え!? どういうことって思うかもしれませんが、あくまで遊びなのでハードルをあげるようなことをしたくないです。
まずは、つたないプレイになってしまっても、一緒に心許せる友達や環境を探してみてください。
ただ、今から説明することを意識するとスムーズだよってだけの話です。
【1:KPってなに?】
・そもそもKPとは
KPとは、クトゥルフ神話TRPG専用のゲームマスターの呼び名です。
『キーパー・オブ・アーケイン・ロア(隠された知識を守る者)』という意味です。
『けーぴー』や『キーパー』と呼ばれています。
すごいかっこいい呼び名! ですが、ゲームマスターとすることは変わらないです。
・KPに求められる役割
KPはクトゥルフ神話TRPGでプレイヤーと遊ぶ時に、シナリオの進行をします。
やることはたくさんあって、
・シナリオの進行
・ゲームルールの説明
・プレイヤーの提案への対応
・(必要であれば)マップや小物の準備
など様々あります。
・KPとプレイヤーの関係性
KP=神様という考えがあります。
確かに、一番の発言権があるのはKPですが、自分の好き勝手にやると、そのTRPGは崩壊します。
どちらかというと、監督に近いですし、ルールブックでもそう言われています。
プレイヤーは俳優のようなものです……が、シナリオの中を自由に演じることができます。
盗みを働く、キャラを口説く、ラスボスを仲間にしようとする……などなど。
そう言った自由なプレイや、提案に対して、可能か不可能かを決めるのがKPです。
時として面白い提案であればOKし、難しそうならNG、またはOKは出したが、その結果、最悪なことが起きてしまうなどを伝えます。
よく勘違いされますが、『プレイヤー=KPの世界観を叶えるためのコマ』ではないと思っています。
KPとプレイヤー両方で、物語を彩っていくのが僕のTRPGとしての考えで、そうなると同じシナリオでも、同じ物語は絶対に生まれません。
よく、TRPGをプレイすることをセッションと言います。
音楽と音楽を奏でるように、KPとプレイヤーで色々な物語がその場で奏でられていきます。
【2:KPの準備や心構えってあるの?】
KPは準備が大変です。
いざ、セッション(TRPGをプレイすること)が始まると、なんとかはなるのですが、やはり事前の準備は大事です。
・ルールブックの理解
まずこれです。
ただ、全てのルールを覚えるのは凄いハードです。
ただ、最低限使う用語やルール
・〇d〇
・ダイスの判定方法
・ステータスの見方
などは流石に覚えた方がいいです。
・必要な道具の用意
当たり前ですが、ルールブックは絶対に用意しましょう。
何かあった時にすぐに調べられますし、それはKPをやる上での最低限の心構えです。
まさに『キーパー・オブ・アーケイン・ロア(隠された知識を守る者)』なので、知識の媒体は所持しましょう。
他にも、プレイヤーが用意できないのであれば、ダイスやマップ、その他小物なども用意しておくとスムーズです。
・シナリオ選びと読み込み
まず、何のシナリオで遊ぶかを決めましょう。
最初は、30分程度でプレイヤー1人用のシナリオとかオススメですよ。
そうすれば、友達1人に声をかければいいし、時間も短ければグダグダになることはないです。
30分程度のシナリオは、クローズドシナリオ(閉鎖的な場所でのシナリオ)が多いです。
町中を自由に散策するシナリオだと、プレイヤーが脇道それた時、アドリブで対応しなくてはいけないのですが、クローズドシナリオだとそれが少ないので最初はオススメです。
慣れてきたら、そういう脱線も楽しむのもアリだと考えています。
・オススメシナリオ
最近遊んで楽しかったものを紹介します。
全てプレイヤー1人用のものです。
【CoCシナリオ】風呂ホラーRTA
これ、風呂という狭い場所にも関わらず、恐怖演出があって面白かったです。
確かに、風呂場で目を閉じると怖い想像しがちですよね。
【日本語/中文】CoCシナリオ『君の胴』【30分タイマン】
散策をしつつ、謎も解き、恐怖の部分を30分程度で楽しめるのが非常に楽しかったですし、オチも中々にゾクっとしましたね。
【PDF】カタシロ
これは普通に面白い。知る人ぞ知る有名作品です。
自分のキャラクターを深堀りできる構造になっていて、常に決断を迫られます。
で、これメタな部分でも楽しめる構成になっています。
キャラクターを自分自身にし、『自分ってこういう部分があるんだ』って楽しむ遊びもできますが、仲良い人や精神に異常をきたしてSAN値が減少しそうな人は、キャラを作ってやりましょう。
しっかりとバックストーリー作ると更に楽しいですよ!
・当日のスケジュール管理
プレイヤーに遊ぶときに
・何時間で終わるのか?
・休憩はどこで挟もうか
など、事前に考えておいた方がいいです。
いくら仲良い同士で遊ぶ場合でも、「1時間で終わるものが6時間かかった」、「1人のハンドアウトが長すぎる」など、あると結構きついです。
【3:KPはセッション中になにやるの?】
テクニックって程ではないですが、こういうことをやっておくとスムーズです。
自分のことは棚にあげて話しちゃいます~。
・プレイヤーキャラクター(PC)の作成サポート
TRPGで遊ぶ際、プレイヤーは、キャラクターを作るのですが
A:事前に作ってくる
B:KPの前で作る
があります。
この場合、KPはそのキャラクター作りをサポートしてほしいです。
Aの場合、一緒には作れませんが、出来上がったキャラクターシートをチェックし、変な場所がないか見てみましょう。
意外に、ぶっ飛んだもの(銃火器のオンパレード)を持っている場合や、ステータスの算出方法が間違えている場合があります。
Bの場合は、困ってそうなら、こちらからサポートしてみましょう。
特にクトゥルフ神話TRPGの場合だと、技能にポイントを割り振る方法で、困ってしまう人も結構いました。
・雰囲気作り
今回のシナリオの世界観をどのように伝えるか…ですね。
この雰囲気作りも色々ありまして、物語の導入をどのように伝えるか(事前にハンドアウトを渡しておく、最初に導入シーンを入れるなど)を決めます。
他にも、場面描写(ショッキングなシーンをどのように彩るか)は結構大事ですね。
僕は結構、画像や照明で済ませしてしまうのですが、語りや文章の良さもあるので、そこをじっくりと読み上げて説明するのもいいですね。
あと、目的です。
「結局、このシナリオはなにをするのが目的なの?」ってのをプレイヤーが理解しないと進めようがないです。
もちろんKPがメタで「こうしましょう!」って言ってもいいのですが、劇中でNPCが、依頼や頼み事で流れを作っていく方が没入感があります。
・ 判定の処理と結果の反映
クトゥルフ神話TRPGはシナリオ中に技能を振ることや、プレイヤーが何かしらの提案をすることが多いです。
その際に、KPは「では、物を探すなら目星の技能で振ってください~」、「じゃあ、その行動なら聞き耳を振ってください~」など判定方法を伝えます。
時に、難しい提案はNGを出したり、難易度を上げたりもします。
※これは主観ですが、なんでもかんでもNGをだすよりは、絶望的でもいいから難易度を上げる方が、プレイヤー的にチャンスがあるので満足度が高かったです。
で、これらの判定の結果に対し、反映をさせます。
「成功なので、物を探せました~」、「失敗なので無理でした~」、「ファンブルなので目にゴミが入りました~」などなど、アドリブ力が少し問われてしまいますが、やってみると結構楽しいし、ファンブルやクリティカルで思いつかない場合は、プレイヤーと一緒に考えるのもいいですよ。
・NPCの演じ分け
別にこれは必須でもなければ、意識もしなくていいと思いますが、なり切って演じ分けできると、プレイヤーがわかりやすいです。
特にオンラインセッションで、複数のNPCが登場すると、「今誰が喋っているんだ?」となりますが、難しい場合があるので、『あったらわかりやすいし、楽しい』ぐらいだと思ってください。
【4:オンラインセッションでKPが気を付けることってあるの?】
オフラインと違って、オンラインは環境が整ってないと一発で中止になることがあります。
それ以外にも、気を付ける部分が結構あったります。
・オンラインツールの選択と使い方
まず、なんのツールで遊ぶかを決めましょう。
最近では、ココフォリアが主流ですが、やろうと思えば、LINEの通話で、ダイス目を共有しないとかでも全然遊べます。
ただ、ネット環境や、マイク環境整える必要はあるので、そこはご注意ください。
・顔が見えないことでの注意点
これ結構ありますね。
オンラインだと通話や、もしくはチャットを使ってのセッションになるのですが、割と変な問題が起きることがあります。
・初手、タメ口
・文字情報だけのやりとりだと、言い方のニュアンスが伝わらない
・顔が見えないから、態度が横柄になってしまう
全部が全部ではありませんが、表情が見えることでの、伝わる感情がオンラインセッションではないため、誤解を生んでしまう恐れもあります。
もちろん、そう言った部分がない場所だと、非常に便利です。
ただ、寝落ちしている人、毎回いたなぁ(笑)
【5:初心者KPへのアドバイス】
持論ですが、まず初心者もベテランもそこまで関係ないと思っています。
なので、日常生活で、人とコミニケションできていればそこまで問題はないですが、自分の経験談を載せますので、なにかしたらの参考にしてみてください。
・まずはシナリオを楽しむことを大切に
ここですね。
「うまくやろう」とかあると思うし、僕は今でもありますが、緊張や恐れで動いてしまうと、それが先に伝わります。
別にKPVSプレイヤーではないので、ボードゲームやテレビゲームを一緒に遊ぶ感覚を忘れないでください。
失敗を恐れずにチャレンジするのは本当に難しいです。
なのでそういう場合は、「自分初めてKPやるので、なにか拙いところあったらごめんね~」って先に言っておくと、情報共有できてよいですよ。
・プレイヤーとのコミュニケーションを大切にする
面白い発想ができたり、NPCをたくさん演じ分けるのは凄いですが、プレイヤーはKP独壇場を見に来たわけではありません。
あくまでも主役はプレイヤーです。
なので、プレイヤーの提案には耳を傾けてあげましょう。
全てにイエスマンするというわけではなく、雑に対応してはいけないってことです。
・自分なりのスタイルを見つける
真面目なトーンでしっとり進行したいKPも入れば、飲み会のようなノリで進めたいKPもいます。
自分はどういうやり方で進めるのかを決めましょう。
・一回、変な人にあたるのを後悔しないで
わりとあるのが、困った人と遊んでしまい「このゲームもう嫌だな」ってなってしまう現象です。
非常に気持ちがわかります。
ただその1回で、やめてしまうのはもったいない。
好きなら違う場所で、もしくは身内だけでもいいから続けていってほしいです。
・声量と活舌
わりとこれ大事です。
最悪活舌はどうにかわかるとしても、声が小さぎるとお互いに気まずいです。
プレイヤーも声量などは大事ですが、KPはずっと喋りっぱなしなのでこれ大事ですね。
・紙
もし、長くて複雑なシナリオでKPをやるのなら、電子媒体より、紙の方がすぐにペラペラめくれて良かったです。
ただ、最近は見やすく、すぐに対応できそうなツールとかありそうですね。
・ルールブックは必須
プレイヤーではなく、KPならルールブック必要です。
特によろしくないのは、ルールブック未所持で、困ったときに「○○さんの動画では~」って説明しちゃうKPです。
結構、動画はハウスルールがあります。
ハウスルールは悪くありません。僕もします。
ただ、困ったとき、動画の判定ではなく、あなたの判定で物語を決めて欲しいです。
【6:KPのやりがいと魅力】
こんな大変な想いしてまで、KPやって楽しいの?って思うかもしれません。
結構、楽しいですよ。
相手を支配、虐殺できるって楽しみはわかりませんが、物語を共に作りあげる喜びなら紹介できます。
・プレイヤーが楽しんでくれる喜び
終わった後に楽しかったって言ってもらえるのは凄い嬉しいです。
それに加え、自分のシナリオだと嬉しさは2倍になります。
わりとTRPGってシナリオもそうですが、プレイヤーやKPに左右される部分もあります。
僕、カタシロやった時に、全力で相手の話を拾い、色々な可能性を提示したりしたのですが、最後にプレイヤーに「あなたがKPだから楽しかった」って言われたときは、凄い嬉しかったです。
・物語を共に作り出す創造性
プレイヤーの提案にこちらも乗っかり、話が変な風にそれたり、偶然から生み出された伏線、そして伏線回収なども発生します。
本当にセッションは生ものです。
色々なことが起きます。
・ただのゴミのこんにゃくを食べて、1d100をしてクリティカルでHP全回復
・ラスボスに熱いロールプレイをして、SAN値0のラスボスが涙する
・知り合ったNPCを自分の養子にする
このライブ感はそのプレイヤー達と、一緒に遊んだ数だけ創造されていきます。
特に同じシナリオを違うプレイヤーと遊んだ時に、その違いははっきりしていきます。
そういった違いを楽しめたら、KPを好きになりますよ。
・理想の友人探し
たまたま初対面で遊んだ人と仲良くなり、また一緒にTRPGをしたいなって思うこともあれば、自分から誘うなんてこともできます。
そういう友人ができたら、もうあなたのTRPGライフは勝ち組ですね。
・スキルアップ?
これ難しいところですね。
よくコミュニケーション能力あがるとか言いますが、スキルアップを目的にしたり、反省したりしないと、一生同じような人格のまま進んでいきます。
肝心なのは意識することですね。
「今日は静かなプレイヤーをサポートしてみよう」、「今日はNPCの演じ分けをがんばってみよう」などと目標を決めるとスキルアップになります。
【まとめ】
すごい長くなっちゃった!
もう簡単にまとめると
・ルールブック買う
・友達や許してくれそうな人とやる
・最初はプレイヤー1人、30分~1時間程度のシナリオ
・楽しんでやる。楽しいことをしているのだから
以上です。短い!
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