ハンドアウト(HO)ってなに?
ハンドアウトとは、事前に配布しておく資料のことです。
TRPGでもハンドアウト(HO)という言葉が飛び交うことがありますが、今回はこの言葉を、独断と偏見で解説します。
今回の内容
そもそもハンドアウトの意味はたくさんある
視覚的なハンドアウト
例えば、シナリオで新聞の記事や住んでいる場所のマップや画像など、視覚的に用意できるものを資料として用意することがあります。
シナリオハンドアウト
シナリオが始まる前に、探索者(キャラクターのこと)の『自分達がどういう状況で、何をすべきなのか』などを説明していくことで、プレイヤーの目的が明確になります。
例えば…
①『探索者達は、今雪山で遭難している。山小屋の中は電気が止まり、探索者の体温は徐々に失われつつある』
②『探索者達は探偵事務所にてバイトをすることになった。依頼者はそうそうこないのだが、ある日、一人の子供が深刻そうな顔で扉を開ける』
こんな感じで、初期状況を伝えることでこの後、すべき行動を導きやすくなります。
キャラクターハンドアウト
シナリオハンドアウトと似ているのですが、一人一人に設定があります。
極端なことを言うと、キャラクターシートを作る必要性のない状態です。
例えば…
A『プレイヤーが演じる探索者の名前は山田二郎29歳。職業はフリーの記者。各オカルト系の出版社にネタを持ち込み、月200万以上の収入がある。非常に優秀な記者だ』
B『(探索者は自由に作ってよい)、探索者は、篠原美也子とは恋人だった。だがそれは過去の話。彼女は自殺してしまったのだ』
こんな感じで、Aだと自分の背景が決まっていて、そのキャラを演じるだけで良いです。
Bだと、探索者は自由に作れますが、NPCや知り合いが決まっていて、他人との交友関係がわかったりします。もちろん、AとBを合わせるハンドアウトもあります。
キャラクター秘匿ハンドアウト
一言で説明するなら秘密です。
例えば、先程のキャラクターハンドアウトのAに設定を付け加えます。
『山田二郎は優秀な記者だが、実は邪悪な教団と取り引きをしており、悍ましい儀式や超自然の存在について教えてもらっていた。犯罪行為などを黙認しているのだ』
この秘匿ハンドアウトは他プレイヤーにも公開されていないことがありますし、山田二郎を演じるプレイヤーにも教えてない場合もあります。探索者が幽霊だったみたいなパターンがまさにそれです。
この秘匿ハンドアウトがあることで、キャラクターに影という深みができます。
他の探索者がロールプレイで話しかけ、何かのキーワードが引っかかった時、秘匿ハンドアウトを持っている探索者は少し口籠ったりして、他のプレイヤーに疑問が生まれます。そのミステリーがスパイスになるわけです。
人狼もそうですが、これはマーダーミステリーで見かけるシステムです。
キャラクターハンドアウトってどうなの?
昨今、クトゥルフ神話TRPGではハンドアウトもありますが、秘匿ハンドアウトもかなり見かけるようになりました。
もちろんメリットはありますが、プレイヤーによっては不満を感じることもあります。
そういった意見などをまとめたので、良かったら見てください。
※あくまでもクトゥルフ神話TRPG基準で考えています。
自由度が減る
シナリオハンドアウトもあり、キャラクター1人1人にハンドアウトがあるとエモさや綺麗さが出ます。まるで映画のような世界です。
ただ、TRPG本来の筋書きにないドラマのようなものを生み出せ……るかもしれないですが、シナリオを作った人の見たい景色だけを見ていることになりかねないです。
余計な心理戦
例えば秘匿ハンドアウトで
『あなたの目的は、ゲーム終了までに、他のプレイヤーよりもたくさんの魔術書を持つことだ。何故ならあなたは女子大学生は仮の姿で邪教の幹部だからだ』
とあります。
大前提としてクトゥルフ神話TRPGは協力型ゲームなので「いや、俺心理バトルやりにきたわけじゃない!」ってことがおきます。
特に情報共有する時に「つい口を滑らし、己のハンドアウトを喋ったらどうしよう」みたいなストレスもあるわけです。
俺そんなキャラやりたくない
これはハンドアウトの塩梅にもよりますので、色々な意見を並べます。
・そもそも決められた役割を演じたくない。
・探索者は自由に作ったはいいが、秘匿ハンドアウトで、後から犯罪者であることがわかった。
・ハンドアウトキャラで、愛着持ってきたが、秘匿ハンドアウトで、後から犯罪者であることがわかった。
・好きに探索者を演じてたのに、「◯◯が好き」という感情を追加されたのが嫌だった。
・シナリオを通して周りのプレイヤーと一緒に自分のキャラクターを肉付けしたいのに、ハンドアウトだとそれが難しい。
・せっかく気に入ったキャラなのに、継続できない秘匿ハンドアウトがあった。
・シナリオの全体像がわからない
秘匿ハンドアウトの場合、プレイヤー1人1人にも、シナリオに関わる情報を持っていることが多いです。シナリオ終わってから「あれ? 結局なんだったんだ?」みたいなことがおきます。
言うなればプレイヤーもパズルのピースを持っている状態です。
また、一人だけ秘匿ハンドアウトを持っていると「何故一人だけ主役みたいな感じになるのだろう」と疑問を持つ人もいるのです。
秘匿ハンドアウト待ちの時間が長い
秘匿ハンドアウトの確認作業をしている間、他のプレイヤーは待っていなくてはいけない可能性があります。
まとめ:最初に伝えること
とりあえず、自分の意見としてはそれも一つのクトゥルフ神話TRPGだと思っています。
実際、ラヴクラフト作品にも『実は化け物の血をひいていた』みたいなオチもあります。
ただ、それはあくまでも作品です。
TRPGは人と一緒にプレイするゲームなので、自由度がなくなってしまう大事な部分は必ず事前に伝えましょう。
そのハンドアウトを苦手とする人もいれば、それをスパイスだと感じる人もいます。
そういったことを事前に用意する、それこそが本当の意味でのハンドアウトです。
とか上手いこと言った気になって、この記事は終了します!
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