TRPGって本当に自由なの?
最近、ネット上などで「TRPGって自由って言うけど、自由じゃないよね」って話を見かけます。
僕自身も、以前ブログなどで「TRPGは自由だ」と言いました。しかしよくよく考えると自由じゃないのかもしれません。
そもそも自由という意味を調べてみると『他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること』らしく、「TRPGって自由じゃない」という意見の人に話を聞いてみたり、ネットで見かける中にはこういうのがありました。
- 依頼などを受ける際に、『断ってはいけない空気がある』
- シナリオを『クリアしなくてはいけない空気』がある。
- 場合によっては自分の思い通りのプレイができず、仲間のパーティや、その場の空気を読まなくてはいけないことがある。
なるほど。
これが『正しいかどうか』や、『自由と好き勝手は違う』と言うのは置いといて、『他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること』って風に考えると、確かに自由じゃないとは思います。
ただ、実際に『自分の思うままにふるまってしまう』と、そのTRPGは崩壊してしまう確率が多いと思います。
そう考えるとTRPGは『自由』ではなく、『自由度が高い』という風に考えるべきなのかもしれません。
で、自分の考え方としても、『自由度が高いプレイ』を推奨します。じゃあ、この『自由度が高いプレイ』ってなんなのかっていうのを自分なりの意見で紹介します。
今回の内容
【自由度が高い】
そもそも、僕が考える、自由度が高いプレイと言うのは『決められた中で自由にプレイしてもらう』というものです。
例えば、ゲームマスターが物語の導入で「あなた達は親友のジェニファーの捜索を依頼されます」と説明した時に「断りたい! メンドクサイ!」って思う人もいるかもしれません。
でも、そこは従ってほしいです。何故かというと、ストレートに言ってしまうとゲームマスターが困っちゃうからです。
もちろん、断ることで王道からズレたり、もしかしたら、別のシナリオルートが発生するかもしれませんが、9割のTRPGが依頼を受けて、そこから物語が始まります。なので、ここを断ってしまうと話が始まりません。
ドラゴンクエストで言うなら、魔王を倒しに行かずに町の中を探索している感じですし、スーパーマリオで言ったら、最初のスタートボタンすら押さないでタイトル画面を見ている感じです。
で、そのジェニファーを捜索する中で、自由に好きな人に話しかけたり、自分なりのアイデアを出したりして、自由にプレイを楽しんでほしいです。
他にも、明らかに非常識すぎる行動(意味もなく道端の人を適当に射殺していくなど)をしようとしたり、仲間のNPCを500人ぐらい増やそうとしたりなどした時、ゲームマスターに止められたら従ってほしいし、基本的にはゲームマスターが「それはちょっと困る」と言ったときは、素直に受け入れてほしいなと思います。
ただ、この感覚はちょっとケースバイケースなので、かなり説明が難しい!
確かに、「いや、そこを言いくるめるのがゲームマスターだろ」とか「そういう行動をした時に、うまくアドリブを入れるのがTRPG」っていう意見もわかりますし、『プレイヤーを思い通りに動かしたいゲームマスター』とかに出会ったとき、すごくつまんなく感じてしまうこともあります。
だからこればっかしは、なんとも言えないのですが、最初の導入や依頼に関しては従ってあげた方がいいと思います。『プレイヤーを思い通りに動かしたい』とか『言っていることがことがめちゃくちゃすぎるゲームマスター』とかなら気持ちはわかるのですが、ゲームマスターが困っている時に、そこをつつくのは違うと思います。ゲームマスターは敵ではなく(僕の中では)、一緒に遊ぶ友達なので、友達を困らせてしまうのもどうなのでしょうか……。
で、「うちのキャラはそういうことしない」って言うのであれば」、依頼に関与するキャラを作りましょう。
キャラクターシートについてはこちらの記事をどうぞ→クトゥルフでキャラ作成する時に気をつけることってある?
ただ、明らかにおかしい依頼の場合(街中を爆破したり、人々を虐殺するなど)とかは、ゲームマスターも最初にプレイヤーに説明しましょう(普通の依頼だとしても、紹介文とかに書いておくのも良いと思います)
【ゲームマスターにも反撃する自由がある】
じゃあ、決められた中でしか、プレイヤーは自由にプレイできないかって言われると、別に自由にやっていいと思います。ただ、ゲームマスターにも『反撃する自由がある』というのを忘れないでください。
例えば、これは自分が経験したことのある話を載せていきます(クトゥルフ神話TRPGでおきたことです)
例その1
ゲームマスター「では、この事件を解決していただきたい」
プレイヤー「嫌だなぁ! 帰る!」
ゲームマスター「残念! じゃあ、他のプレイヤーは探索をして、あなたは日常のロールプレイをして、、そのロールプレイをしながら、好きに道具などを集めるといい。途中で、他の仲間に合流したかったら好きに合流できるよ」
例その2
ゲームマスター「~~な感じで町長さんは、貴方たちに説明し、依頼をしました」
プレイヤー「こいつなんかムカつくなぁ。銃で撃つわ」
ゲームマスター「お、じゃあ、今から町長の側近達×5と熱いバトルがはじまります!」
例その3
プレイヤー「そこら辺の人を射殺します」
ゲームマスター「あ、じゃあ、幸運の半分で判定してください。警察かその街の怖い人があなたを倒しに行きます」
とか、適当に言うこともできます。本当に適当な時は「依頼を受けないと、町長が大魔法(もしくは核ミサイル)を使って、この地球を爆破させます」とか、「貴方が断って帰ろうとすると、いつまにか頭に埋め込まれた爆弾が警戒音をだします」とか言います。
などなど、プレイヤーが自由であるなら、ゲームマスターも自由にやってもいいと思います。
【まとめ】
そんなわけで、『自由なプレイ』と『自由度がプレイ』。好きなスタイルを選んでくださいと言いたいところですが、自由度が高いプレイをやってほしいです。
これは経験上の話でしかないのですが、やっぱり最初の導入を断ったり、『明らかな本筋を曲げることを押し通す』とか、初対面通しだと変な空気になります(もちろん提案するだけはいいと思いますし、変な行動にも『意味』があるなら提案する価値はあります)
もちろん、これは黒か白かの話ではないです。『依頼は従うけど、探索中は自由にやる』など、自分の中で、『どこまで自由にするか』のバランスをきめてやるのもいいし、一緒にプレイする人たちや、そのTRPGの種類、今回のシナリオなど、様々な関係性によって決めてください(世紀末な世界観なのに、お上品にプレイする必要はないということです)
常にバカなことしている友達同士なら、本筋から離れて、ふざけまくってもそれはそれで楽しいと思いますし、プレイヤーにアドリブ性を求めているTRPGとかもあります。
ただ、周りの関係性などを考えずに、自分の好き勝手なことをやってしまうとそのTRPGの場は崩壊します。
なので、基本的にはゲームマスターの指示に従った方がいいのですが、「自分のやりたいことと違う!」って場合は、色々なTRPGを遊んでみたり、色んなTRPGイベントに顔を出すべきだと思います。
TRPGの種類によって、自由度の差はありますし、同じTRPGでも場所が変われば、全然雰囲気が違い、自分のやりたいことができる場所があると思います。
なので、好みのTRPGを探すというのは自由なので、そこは自由に探してみてください。なんなら自分で作るのも自由です。ただ、自由には責任が伴うのでほどほどに!
と、無理やり自由に締めて終わります。
よろしければこちらの記事もどうぞ→クトゥルフで理想の探索者ってどんなの?
ディスカッション
コメント一覧
私はロールプレイで依頼を断ってしまった結果、その場でシナリオを終了させてしまった経験があります。このときの流れとしては、SANチェック後に異様な空間に飛ばされ名前を名乗らない妙な子供から、助けを求められるといった展開でした。SANチェックに失敗した私は仲間に対して、断って逃げようと説得を試み、運良く(悪く?)説得ロールが成功してしまったのでした。
悪意はなく、キャラクターの自然な反応だと思っていたのですが、ふざけた気持ちが全く無かったかと言われたら否定はできず。正直あまりに重いリアルペナルティで、とにかくせっかく時間を割いて集まっていただいた他のPLたちに対して本当に申し訳ない気持ちで一杯でした。他のPLからも行動を非難されて、針のむしろのような状態でした。今となっては良い経験ですが、ぶっちゃけトラウマレベルです。
色々なタイプのGMさんがいらっしゃると思いますが、このときのGMさんのように、GMを困らせるとそれを即座に敵対行為とみなし過激な反撃に出るGMさんがいて、しかも経験的にはこれが多数派であるように感じています。そして一度こういった経験をすると、自由なロールプレイは難しくなります。
GMにも『反撃する自由がある』のですが、PLの自由なロールプレイを守るためには、このGM側の自由は決して安易に行使してはいけないし、むしろ慎重に慎重を重ねて行使すべき権利だと思うのです。
ここでの記事は害悪プレイヤーの事を指してるっぽいので自由度とは違う気がする。
自由度が無いってのは強制力が沢山あるシナリオで
PLの案を一切対処しない(できない)事を指すんだと思う。
昔みたいに曖昧なものをKP、GMが対処するのではなく
記載してある描写以外の選択肢がそもそも無く、
決められた判定方法、決められた台詞、
決められたタイミングでの強制イベントが用意され
KP、GMの対応力が無くても回しやすく
誰でも回せる様に作られている。
そんなシナリオが今は人気が高い。
例として
このままだとラスボスが現れてしまう。クライマックス直前
KP、GMはボスを出した時のリアクションが気になるから
KP、GMはボスを絶対に出すし、優位になんか立たせない。
簡単に倒されたら面白くないし、そのリアクションが見たくて回しているだろうから。つまり出さないという選択肢がない。
この様にプレイヤーにとって強制力の高いシナリオの対処で
・最近の傾向の対処
PL「ボスが出てくる前になんとかしたい!」
けどボスを出す以外の選択肢がシナリオに記載されてない。
なので貴方達には何も出来ませんと言い、描写を読み上げる。
そしてそのまま戦闘へ。
・対応力の高い人の対処
PL「ボスが出てくる前になんとかしたい!」
なんとか出来るかもしれない、PLの案があるのか聞く。
だが残念ながら間に合わなかった。
しかし皆さんが前もって行っていた行動が良かったのか
多少この戦闘が緩和されたかもしれません。
その上でKP、GMは判定を緩くし、ボスの能力値をシークレットで底上げしたり(実は難易度的には変わってなかったり)
と言う様なのがKP、GMの腕の見せ所だった。
それこそが自由度に繋がると思ってます。
要するに、PLに自由度が無いなと思わせたらもうそこで駄目。
これは、ただ描写読み上げるだけのKPが多くなり、その理由は
ただ描写読み上げるだけで成立するシナリオが多くなったのが大きな原因だと思う。
そしてその傾向が大きくなり
そういうのを好んでいる層が増えて来ているのが
(シナリオに変な色を混ぜずにオリジナルを楽しみたいという層)
昔からTRPGをやっている人にとったら
そうじゃないんだぞと強く感じさせてしまうんだと思う。
昔からやってた層が最近の傾向をプレイすれば
今のKP、GMの対処に自由度がなく肩身を狭く感じるし
KP、GMをすれば改変はどこまで可能なのかと悩む事が多いし
回収しなきゃいけないフラグが分かりづらい。
最近の層が昔の傾向をプレイすれば
何をしたら良いのか分からない事が多いし
記載されて無い事が多いので難易度が高く感じてしまう。
昔の層の人と同卓すれば
それがルーニーに映ったりメタに感じるかもしれない。
つまり対応力が求められないので対応力が付かない。
そんな中で自由度を求めるPLにKP、GMをすれば、
当然、自由度が無いと感じられてしまう。
だけどどちらもTRPGであり、気の合う仲間同士でやれば
それがベストセッションだと思うので棲み分けは大事。
けどあくまでどちらもこの例は優良プレイヤーなのが前提で
ここで言われる自由度がないと主張する
始まりの舞台に立とうとしないわ、非常識なワンマンプレイをしたがるプレイヤーはKP、GM、PCをやらせても周りが嫌な思いをすると思う。
なぜなら論点はそこじゃないから。
自由度という自分が納得する独りよがりを楽しみたいだけ。
KP、GM、PC全員で良いセッションにして行こうという思考にならないのが根っこにある。
そんなプレイヤーを記事の例にあげられても
自由度が無いという主張に全然ピンと来ませんでした。
長文失礼しました。
追記です
スーパーマリオで例えられていたので
ピーチ姫を救うのに
クッパをジャンプかファイヤーなどで倒すのか
クッパをマグマに落とすのかが
自由度じゃないでしょうか
ドラゴンクエストだと
呪文の組み合わせ、装備を駆使すれば
どんなレベルでも魔王を倒せるのが
自由度じゃないでしょうか
それぞれ難易度はもちろん異なります。
しかしそれが、
クッパを直接倒すしか選択肢は無く
条件もファイヤーフラワーしか無いです。
伝説の剣と伝説の防具でしか魔王を倒せません。
それを装備出来るレベルも決まってます。
というのが自由度が薄いのではないでしょうか。
さらに言うならばEDが決められているパターン
確定事項「ピーチ姫は死にました」
ですがなんとか貴方は生還しました。
配管工をする日常へと帰っていくのでした。
確定事項「世界は闇へと呑まれました。」
ですがなんとか貴方は生還しました。
魔物の姿となった家族の元へと帰っていくのでした。
などが自由度が無いと印象を強くしているように思います。
別に上記のEDに至っては良いとも思いますが
一つしか用意されていないと、
どれだけPLが努力しても無駄に終わるのが悲しいですね。
もちろんハッピーエンドも用意して欲しいですし
ピーチ姫は死んでしまい、貴方は絶望に立たされるが残機が無限な為、死ねない身体になってしまいました。とか
世界は闇に呑まれ、貴方は絶望した挙句、魔物になった家族を殺し、貴方は本物の魔物へと変わってしまいました。とか
PL達のRP次第でクッパや魔王と和解するルートがあるとなお楽しいですね。
「はい」か「いいえ」だけではなく、その場限りの
3つ目、4つ目の選択肢があるのがTRPGではないでしょうか?
タイトル画面のままだとか、そう言う事ではないと思います。