推奨技能ってなに?
貴方がファンタジーに出てくる冒険者だとして、ある日勇者に「1年後に、魔王を倒しに旅に出る。お前もついてこい。それまでに『剣の腕』と『回避力』、『応急手当』、『薬草の知識』を習得してこい」と言われました。
貴方ならどうしますか? 今、言われたスキルを習得しても良いし、しなくても冒険にはでることはできるでしょう。ただ、そのスキルが使えないので、あなた自身の機転や発想力で乗り越えなくてはいけません。
まあ、そんな感じのが推奨技能です。なんか凄く適当に説明してしまいましたが本当にこんな感じです……。
推奨技能とは、例えば今からクトゥルフ神話TRPGを始めるとします。そこでキャラシ(キャラクターシート)を作り、技能を取る際に、『今回のシナリオで活躍でき、スムーズに進めそうなオススメ技能』が推奨技能になります。
例えば、アクション系のシナリオなら、『戦闘系の技能』が推奨されますし、暗闇の世界で探索するなら『聞き耳』などが推奨されるでしょう。
で、この推奨技能は、最初にゲームマスターが教えてくれます(教えないシナリオもありますし、そもそも推奨技能が存在しないシナリオもあります)
なので、もし、どういう技能を取るか迷ったら、とりあえず推奨技能を取っておけば問題ないです。
『推奨技能は教えるべきか?』
人によっては『推奨技能ばかりを取ると、シナリオを攻略するだけの機械みたくなるから推奨技能は取りたくない』または『自分がゲームマスターなら、その技能がない中で、プレイヤーがどうアイデアを出して切り抜けるかを見たいから教えたくない』という意見も聞いたことがあります。
その意見も凄くわかります。僕が以前、ゲームマスターをしたシナリオで推奨技能が『跳躍』、『登攀』で、そのシナリオのキャラクター達の職業が医師、探偵、刑事、放浪者だったのですが、全員が跳躍と登攀を80%取っていて、「お前ら、絶対職業、忍者だろ!」って笑いました。
なんですが……僕は教えても良いかなって思います。
ただし、当ブログは『絶対こうした方がいいよ!』と言うよりは『読み手が、選択できる』のをコンセプトにできる限りしているので、好きなものを選んでください。
1:関係性によって決める。
王道ではないTRPGをゲームマスターが求めている場合(この記事の王道ではないとは『推奨技能を取らずに、プレイヤーのアイデアに期待する』)
相手が見知った中であれば、あえて伝えないのもありだと思います。ただし最初に「推奨技能あるけど、完璧で幸福なあなた達ならそんなものは必要ないですよね?」とか言った方が良いです。
絶対必要な推奨技能があるのに、ゲームマスターが何も言わないのは流石に鬼畜すぎるのでプレイヤーに許可はとりましょう。
2:自分の中で、レベルを決める。
推奨技能の中にも「これ取らないと、本気でマズイ」って言うのと「なくてもなんとかなるだろ」っていうのもあります。
なので、自分の中で「絶対に地獄になる!」と思ったものだけ、伝えてもいいのかなと思います(『必要技能』という言い方に変えて、伝えてもみても良いかもしれません)
3:技能を取れる数を限定する。
最初にみんなで集まって、キャラクターを作る場合、「今回の推奨技能は数に制限があります。目星の技能にポイントを振れるのは1人だけ。聞き耳に振れるのは2人だけ」みたいな感じで言うのがよいでしょう。
もしくは、事前にプレイヤーがキャラクターを作ってくる場合は『推奨技能は1人2つまでしか取れない』とかにすると、バランスよくなるかもしれませんが、後者の場合は、全員、取った推奨技能が被ったり、1つも取られなかった推奨技能があるので、事故が発生してしまうことがあります。
逆に前者をやってみて思ったことは、プレイヤー内の結束力が高まりました。誰が何の技能を持つかの話し合いで時間はもちろんかかってしまうのですが、その話し合いでコミュニケーションがとれるし、シナリオの最中も「この技能はあいつに任せよう!」とチーム内で頼りあうのは見ていて好きでした。
ただ、「自由に技能がとりたい!」って場合は、プレイヤーに不満がが生まれる可能性もあります。
4:とりあえず全部伝えちゃう。
推奨技能を統べて伝えるのが、ゲームマスター的に1番、楽なんじゃないでしょうか。あとはプレイヤーが好き勝手に『推奨技能を取るか取らないか、またはなんの技能を取るか』を選ぶだけです。
プレイヤーが推奨技能を何一つ取らないのがゲームマスター的に不安であれば、ゲームマスター側が「推奨技能の中でこの技能だけは取った方が有利になるよ~」と伝えてあげるのも良いと思います。
で、もし、プレイヤーが『アイデアで戦いたいなら』なら推奨技能を取らなければいいし、『技能で活躍したい』なら推奨技能を取ればよくて、そういう楽しみ方を選べるのがTRPGの良いところだと思っています。
以上です。シナリオ(推奨技能がなくても大丈夫シナリオ)やプレイヤーとの関係性(仲がいいとか)にもよると思うのですが、個人的には必要な推奨技能があるなら、伝えてあげた方がいいと思います。
ゲームマスターはゲームマスターで、もしかしたら『見たい世界』があるかもしれないですが、プレイヤーはプレイヤーで『遊びたい世界』があります。なので、そこはゲームマスターが過剰に押し付けてはいけないかなって思います。
で、もし、取ってほしくない技能があるならそれはそれで正直に『困ってしまう』と伝えた方が良いと思います。
ゲームマスターもプレイヤーも、あくまでも一緒にやる友達なので、どっちが偉いとかはありません(立場上、ゲームマスターが判定する側にはなってしまいますが)
なので、シナリオの進行上、困るようなら正直に、相手を言いくるめるとかじゃなく「その技能取らないと、探索者がピンチになっちゃうかも」とか「困っちゃうなぁ」と伝えていいと思います。
とか偉そうなこと言ってますが僕は結構推奨技能を伝え忘れそうになります。当日、一緒にキャラクターを作る場合でも、推奨技能は、告知文とかに書いたりした方がいいかもしれません! まずはそこから!
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