宇宙からの色ってなに?ー神話生物を紹介その17

2024年4月11日

……不気味に輝く非物質型の侵略生物。今回はこの生物を紹介します。

というわけで、クトゥルフ神話TRPGにでてくる化け物……通称『神話生物』を紹介しますが、軽く説明し、実際、シナリオで使ってみてどうだったかを紹介します。SAN値チェックしながら見てくださいね!

神話生物についてはこちらの記事をどうぞ↓
神話生物ってなに?

今回紹介するのは(英名はThe Colour Out of Space訳によっては『異次元の色彩』という種族です。
この神話生物ほんと怖いです! 宇宙から勝手に地球に飛来して、辺り一帯汚染する侵略生物です。

「マジ帰ってくれよ!」って思うのですが、帰る頃にはぺんぺん草すら生えていません。

粘土で作ってみました。ヘタクソだけどお許しを!

【基本的な特徴】

・見た目

・見た目は、非物質の存在なのだが移動するときに無定形のキラキラ輝く色が微かに見える。
※ガイガーカウンターを使ったり、光増幅器などを使えば探知はできます。赤外線装置は意味がないです。このことから、正体は『透明な物体ではなく、僅かに色の光を出す。目に見えない存在』みたいな感じと思われます。

・大きさは宇宙からの色のPOW(精神)と同じ数値だが(人間よりも小さい)、餌を食べるにつれPOWは上昇していく。

・活動場所&食べる物

・宇宙からの色は隕石が落下するように、地球に飛来する。
そこで幼胚を産む(見た目は空洞のように見える)栄養の豊かな土、浅い水の上に置くとやがて発芽し、ゼリー状の幼生が生まれ、周りの生命力を吸い取る。
果物など土が全て、吐き気を催す苦味となり、悪臭は放つ不思議な色のミズバショウが咲き、昆虫が奇怪に成長して大量死する。井戸が飲めるものではなくなる。
宇宙からの色が成長していくと、住処を拡大し、家畜や人間も襲い、襲われた人間も気が狂いながら衰弱、変色、腐敗していく。やがて、それらの全ての生命が灰色になり、もろくなって朽ちる。
十分な生命力を吸った宇宙からの色は、地球を離れ宇宙で成体となる。成体になる際に更に4~8ヘクタールほどの生命力を吸い取る。

・宇宙からの色に食われた場所は、以降、何も育たない汚染された土地となる。しかも1年に1センチずつ広がっているらしい。

・宇宙からの色に食われた犠牲者の皮膚や顔は、宇宙からの色と同じように輝く。

・宇宙からの色は、強い光は行動を妨げ、昼などは暗くて涼しい隠れ家で身を潜めている。

・その他

・地球を離れる際は、未知の色が入り乱れて輝いた虹を出し、ロケットのように空に向かって垂直に飛び立ち消えていく。

・通り過ぎていく宇宙からの色に触れるとネバネバした不健康な蒸気に触れたように感じる。

【能力】

・強い磁場は宇宙からの色を閉じ込めることができるが、それ以外の物理的な攻撃は無効。魔術の影響は受ける。

・近くにいる知覚生命体の精神力を弱めることができ、成功すると、その人間などを家から離れられないようにする。
※餌となる人間に逃げられると困るための攻撃です。

・キャラクターの能力値を吸収していく。吸収されたキャラクターは肌は灰色になり、吸収されつくすと朽ちる。

【考え方】

※正直、ラヴクラフト全集4の『宇宙からの色』を読んだときは、イソギンチャクや虫のような神話生物で『考えなんてものはもっていない』と思っていたのですが、ルールブック見るとINT(知性)を決める部分が『4d6』あります。人間と同じか、もしくはそれ以上あるのです。

【宗教や文化】

※人間や他種族には理解できないだけで、なにかしらの文化があるのかもしれません。

【人間との関係】

※最悪です!
もはや彼等(?)にとって他種族は朝ごはん、昼ごはん、夜ごはん程度にしか思われていません。
農場などに降り立った日には、「やったー! バイキングだー!」と思われていることでしょう。

【持ち物】

※持ち物を使う描写などはなかったです。

【倒し方】

・強い磁場の影響しか受けないため、ほぼ倒すことは不可能。

【出典(データ&ステータス)】

今回の宇宙からの色に関しては

※詳しいステータスは、上記のルールブックから参照してください。

そして、ラヴクラフト全集〈4〉に掲載されている『宇宙からの色』に登場しますが、この作品はマジで怖い!

そこまでメジャーな神話生物ではないですが、フリー素材や立ち絵、擬人化されたイラストもチラホラあります。

【宇宙からの色に関する主観的な感想】

ここからは、宇宙からの色を自分のイベントで使った感想を、主観100%で言います。じわじわとキャラクターを殺せる神話生物です!

・助走を潤沢に使える安心設計

ホラーのクリーチャーを出すときに、急に現われると怖いっちゃ怖いですが、じわじわと出現させて、焦らしたい時ありませんか?
そういう時は宇宙からの色がおススメです。
いきなり宇宙からの色を出現させずに、隕石のような衝突、悪臭、奇怪に成長する生き物たち、果物は腐る、生物の大量死、灰色になり朽ちた死骸……そして、宇宙からの色の出現! これらの全ての要素をシナリオ通して丁寧に描写することができます。

・一撃死してこない安心設計

神話生物や邪神が、一撃でキャラクターを殺すと怖いですが、プレイヤー的には自キャラが殺されると「え、あっさりすぎる……」って萎えるプレイヤーもいると思います……が、この宇宙の色ならじわじわと嬲ってくれます。
しかもその襲われた時に輝く色を出すというヒントつき。なんて優しい神話生物なのでしょう。
※どうでもいいのですが、ルールブックでも『宇宙からの色の攻撃は手際がいい』と書かれていました(笑)

・殺せない安心設計

神話生物を出すときにKP(キーパー:ゲームマスターと同じ意味)が「うっかりキャラクターを殺してしまう」悩みもあれば、「キャラクターがうっかり神話生物を殺してしまったらどうしよう」って悩みもあると思います。
ただ、この宇宙からの色なら、そんな心配はありません。とっても頑丈な子なのです。すくすく育ちますしね。

【まとめ】

こんな感じで、自分のイベントに出てきた神話生物を粘土フィギュアにして紹介しますので、神話技能を増やしつつ見て頂けたら嬉しいです。

宇宙からの色は、一撃死できる強力な攻撃のようなものはなく、残虐スプラッターな描写はできないのに、違う意味で本当に怖い神話生物です。

次回→炎の精ってなに?ー神話生物を紹介その18

オマケ①:人間椅子より宇宙からの色◇

日本のスリーピースロックバンド『人間椅子』から『宇宙からの色』という曲があります。

最初は名前が被っただけなのかな? とも思ったのですが、歌詞の『狂おしいほどの光芒放ち、破壊を嗜む、呪わしいまでの冷気を湛え血肉を貪る』などの歌詞が、「これどう見ても宇宙からの色じゃねえか!」って驚きました。

楽曲自体も重圧感のあるギターの音が美しい。ヘヴィでハード、そしてストーリー性のある楽曲で非常に癖になります。

◇オマケ②:宇宙からの色を映画化◇

因みに2019年に、ラヴクラフトの小説『宇宙からの色』を原作とした、『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』という題名でホラー映画が作られましたが、怖かったのは『宇宙からの色』ではなく、主演:ニコラス・ケイジの『狂った父親の演技』でした!

==ルールブック==

もし、クトゥルフ神話TRPGをやってみたいと思ったら↓↓↓

スポンサーリンク