マダミスとTRPGと人狼の違いってなに?
世間ではマーダーミステリー(通称マダミス)というのが流行っています。
今回はこのマーダーミステリーとTRPGの違いについて解説します。
※あくまでも僕が体験したベースで話をしますので、ここの紹介とは異なる特殊なマダミスやTRPGも存在します。
今回の内容
【まずは人狼について紹介】
マダミスじゃねえのかよって思うかもしれませんが、まずは人狼について紹介します。
個人的にはTRPGやマダミスと根本的な部分は似ています。
※というか調べると人狼をベースにしたマダミス『人狼村の祝祭』というゲームがあるので、気になる人は是非是非。
〈人狼とは〉
『ある村に人を食う狼が現れた。だがその狼は村人に化け、夜になると誰かを喰らう。そこで村人達はこう考えた。昼に村全員で話し合いをし、多数決で、誰かを一人殺そう』
とかなり狂気じみたストーリーです。
このストーリーをベースにし、ゲームは進行されます。
①プレイヤーはGM(ゲームマスター)から役職のカードを配られる
↓
②人狼のカードを配られたものは、昼の話し合いで、村人カードを配られたプレイヤーにバレないようにしなくてはいけない
↓
③夜、人狼はプレイヤーの村人を一人を食べる
↓
④昼の話し合いで誰が人狼かを多数決で決める。
↓
⑤夜の人狼の村人を食べるターン、昼の多数決のターンを繰り返す。
↓
⑥最後に人狼が残るか、村人か残るかの心理戦が始まる
凄くざっくりしていますが、こんな感じです。
基本的には村人と人狼にわかれるのですが、ルールも改良されていき、『人狼の正体がわかる』、『誰かを守ることができる』、『村人だが人狼を支持している』など、特殊能力を持つ役職も増えていきます。
【じゃあマダミスとは】
今の人狼のストーリーをベースに作ってみます。
〈まずはストーリー〉
『ある村に人を食う狼が現れた。だがその狼は村人に化け、夜になると誰かを喰らう。そこで村人達はこう考えた。「昼に村全員で話し合いをし、多数決で、誰かを一人殺そう」その一人を誰にするかを延々と話し合う狂気の1日が訪れた』
先ほどの人狼とは違うのは、人狼だと30分ぐらいでプレイが終わるので、プレイヤーを減らすのもゲームの醍醐味の一つですが、マダミスは2時間ぐらいかかり、プレイヤーを減らしてしまうと、その後すぐにゲームに参加できないので、プレイヤーはゲーム終了まで生きています。
ここが大きな違いです。
〈役職と人物〉
『人狼』では人狼や村人などの役割を決めていきますが、マダミスはその世界に出てくる登場人物を決めていきます。
例えば
「ジョン、27歳、このダンウィッチ村の村人。母はなく、父一人で生活していた。隣のパン屋のマーク夫人には可愛がられており、母親代わりのように接している。マーク夫人は10年前、人狼に夫を殺されており、今の夫と再婚している」
とざっくりですがこんな感じです。
人狼だと、プレイヤーが覚えることは「あなたは村人です」ぐらいですが、マダミスになると、プレイヤーは役割を演じるというよりは、その世界の登場人物の詳細な設定を覚えます。
〈秘密〉
マダミスでは、その登場人物には実は秘密があることがよくあります。
先ほどの登場人物で例えると
『ジョンは、隣のマーク夫人と仲が良いが、実は親密な男女の仲にまでなっていた。それをマーク夫人の前の夫に見つかり、二人で殺害した。この秘密はゲームが終わるまでバレてはいけない。またその際に、山に埋めた凶器の包丁が掘り起こされている。それを取り戻さなくてはいけない』
と、隠匿すべき物語と目的があります。
更に、ここで出てきたマーク夫人にも簡単に付け加えるなら
『マーク夫人は猟銃を拾っている。もうジョンがいつ口を滑らすかわからない。この猟銃でゲームの終わりに殺してしまおう』
と付け加え
ここで猟師のキャラには『猟師のチャーリーは日頃から盗みを働いている。ある日、狩の途中で猟銃を落としてしまった。これがバレたら資格を失い、仕事がなくなる。ゲーム終わりまで取り戻す。また猟銃を所持していれば、ゲーム終わりに、人狼がわからず、村人が殺されてもチャーリーだけは生き残れる』
みたいな感じで、どんどん秘密や目的が各キャラに追加されます。
この設定で遊ぶなら、マーク夫人は人狼ではないですが、猟銃を隠し持つことで、誰かに人狼と疑われてしまうなどの心理戦が始まったりするのを楽しめます。
※実際はこんなザックリしておらず、しっかりとした構成のもと、関係性が作られています。
このストーリーや登場人物たちの秘密や目的をベースにし、ゲームは進行されます。
①プレイヤーはゲームマスターから背景となるストーリーを教えてもらう
↓
②共通の目的を共有する(この場合、誰が人狼かを見つける)
↓
③プレイヤーはゲームマスターから、登場人物を教えてもらい、目的や秘密を覚える
↓
④ゲームが始まり、探索フェイズ、議論などを繰り返し、エンディングへと入る
↓
⑤ものによっては個人ポイントもあり、誰が勝ったかを決める
凄くざっくりしていますが、こんな感じです。
【じゃあ、TRPGとの違いとは】
TRPGがなにかについて話すのは今更なので、違いについて紹介します。
TRPGについて知りたい方はこちらをどうぞ↓
TRPGってなに?
〈シナリオや目的〉
〔TRPG〕
TRPGは基本的には協力関係のものが多く、全員で協力し、共通の敵を倒します。
もちろん、個人で争ったり、秘密を抱えているTRPGもありますが、『そういったものもあれば、そうじゃない』と幅広いです。
〔マダミス]
全てのマダミスをやったわけではないですが、『共通の問題』と『個人の目的』が数多く存在します。
また、僕がやったマダミスの殆どが殺人事件が発生するシナリオやキャラクター全てに秘密を抱えていることが多かったです。
〈キャラクター〉
〔TRPG〕
まずTRPGのキャラクターは、プレイヤーがシステムの中で自由に作ります。
また、名前、パラメーター、スキル、生い立ちなどを自由に選択できるものが多いです。
〔マダミス〕
一方マダミスは、製作者が予め決めたキャラクターを演じます。
もちろん、ステータスや細かいスキルなどを作ったりは基本的にしません。
固有の能力もあったりしますが、カード一枚でわかるものが多いです。
〈自由度と時間配分〉
〔TRPG〕
シナリオや雰囲気によっては完璧に横道にそれたり、脱線した雑談。場合によってはシナリオ通りにいかないこともよくあります。
そういった部分を時に楽しんだりすることもありますし、ダイスの出目によるその場でのアドリブなどもTRPGにはあります。
〔マダミス〕
どちらかというと、しっかりと計算された世界で遊びます。
時間配分(探索時間や議論時間)なども決められており、アイテムカードの配置や探索カードも隅々まで作らています。
〈ロールプレイ〉
これはどちらでもいえることですが、どっちのゲームも完全なロールプレイが発生した回はなかったです。
TRPGなら、キャラクターになり切らず、プレイヤーのままゲーム進行をする人はもちろんいます。
一方マダミスも、世界観もしっかし、登場人物も詳細に書かれ、プレイヤーに割り振られますが、推理を一生懸命しようとして、『兄妹であるという設定』など、関係性などをすっ飛ばして、キャラクターの感情を無視して勝ちにいくプレイヤーもいます。
ただ、プレイヤーとキャラクターを同時に使い分けるのはTRPGならではの文化であり、マダミスでそれをする人はいなかったです。
別に楽しみ方は人それぞれなので、何が悪いとかではなく、どっちもそういう傾向であるというだけです。
また、人狼では、ほぼ100%、役になりきった人は見たことありません。
村人なのに「とりあえず自分殺して~最終的に村が勝てばそれでいい~」とか言っちゃう人普通にいます。
〈ゲームの雰囲気〉
〔TRPG〕
ワイワイ居酒屋のようなノリで遊ぶことが多いです。
やはり、プレイヤーで発言する場とキャラクターとして発言する場があるので、そこをつかいわけながらワイワイすることが多いです。
〔マダミス〕
非常に緊張感があります。
なんならずっとキャラとして話している感じの場所が多かったです。
TRPGが、なりきりをしながらゲームをやっている感覚なら、マダミスは実際の登場人物としていなくてはいけないといった感じです。
〈ゲームマスターの存在〉
マダミスや人狼だと、ゲームマスターの違いはそこまでなく、言ってしまえば、ルールなどを把握していれば、誰がゲームマスターであってもそこまでの違いはないなと感じました。
しかしTRPGはプレイヤーがアイデアを出し、ゲームマスターが応えていくゲームなので、ゲームマスターが違うだけで、そのゲームが楽しいor楽しくないに左右されることすらおきます。
【まとめ】
ここからは僕の経験談によるまとめです
〈人狼〉
キャラになり切るところは見たことがないので、完全メタプレイで心理戦や嘘をつくのが好きな人がオススメ。
〈マダミス〉
2~3時間程度のしっかりとした時間配分。決められた世界観や登場人物になりたい。
議論や、推理、心理戦、嘘、個人戦などを楽しみたい。
〈TRPG〉
自由にキャラを作って、みんなと協力して楽しみたい。
ダイスやスキルなどを駆使し、時に脱線やロールプレイしながらワイワイしたい。
ただ、最近は秘匿系ハンドアウトみたいなものも流行ってきていますし、古くから個人バトルものもあります。
【とりあえず色々な場所で遊んで見てほしい】
このブログでは何回も言っていますが、「つまらなかった場合、ゲームのせいではなく、今回の場所がつまらなかった」ケースがあります。
なので、もし興味があったら何回か遊んでみることをオススメします。
昨今、こういった対話型のゲームも増えてきており、一緒に遊ぶプレイヤーやゲームマスターの存在が大きいです。
なので、試しに色々と遊んでみて、自分だけのお友達を見つけられたら、あなたのアナログゲームライフはもう勝ちです。
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