『とりあえず目星』ってなに?

2021年5月9日

『とりあえず目星』とは、キャラクターが、部屋に入って探索するときに、「~~を捜査します」とか「〇〇が怪しいから~」とか言わずに『目星』の技能だけを使って、探索する行為です。

例えば

ゲームマスター「君は友人の部屋に入った。その部屋は、物が散乱していて、本棚の本は殆どなくなっている」

プレイヤーA「では、散乱している物を調べても良いですか?」

ゲームマスター「どうぞー。では、物を漁っている途中にカーペットに赤い跡があります」

プレイヤーA「あ、じゃあ医学で調べたいです」

プレイヤーB「その前に、本棚調べたいな。目星とか使います?」

ゲームマスター「そうですねぇお願いしますー」

プレイヤーB「コロコロリ……成功です」

ゲームマスター「なんと!?本棚は少し傾いています。しかも、本棚の後ろの壁に小さな黒い隙間があります」

 

みたいなやり取りがあったとします。じゃあ、もう一回違うパターンで、同じシーンをやります。↓の例が『とりあえず目星』という行為です。

 

ゲームマスター「君は友人の部屋に入った。その部屋は、物が散乱していて、本棚の本は殆どなくなっている」

プレイヤーA「とりあえず情報欲しいので、目星振ります」

ゲームマスター「え? どこに対してですか?」

以上、こんな感じです。

で、SNSでこの「『とりあえず目星』って、行為としてどうなの?」ってのを見かけました。

確かに、面倒な部分は色々とあるのですが、自分的には賛成です。と言うのも『とりあえず目星』自体が悪いとは思っていないからです。そこら辺も含め、話します。あくまでも個人的な意見なので、読んで頂けると嬉しいです。

そもそもなぜ良くない行動と思われるのか

【楽に情報を得ようとする】

さっきの例文で言うと、ゲームマスター的には、プレイヤーの目線で、おかしいと思ったところを探してほしいのに(『棚がおかしいから棚を探す』とか)、「とりあえず目星!」と言ってしまうと、探索の楽しみもなく、情報の全てを入手しようとする行為に疲れてしまうと言った感じです。

特にクトゥルフ神話TRPGはミステリー色が強く、捜査して少しずつ謎を知っていく楽しみがあるのに、「とりあえず目星!」って言ってしまうと、「ヒントくれ!」と一発で言われてるみたいと感じてしまう人もいるようです。

【単純にダレる】

また例文を書きます。『カッコ内』はシナリオの仕掛けです。

ゲームマスター「あなたは恋人の家に入りました。少女漫画がある本棚(ここを調べるか目星をしたら、1巻だけ魔導書が入っている)、水槽の金魚が何かを食べている(調べると金魚が食べているのは人の指)」

プレイヤー「とりあえず目星!」

ゲームマスター「対象などを選んでください」

で、プレイヤーが違う部屋に入りました。

ゲームマスター「居間です(ここには何もない)」

プレイヤー「とりあえず目星!」

ゲームマスター「ここには何もありません」

というやり取りが、何回も続いたとします。プレイヤーが「目星」というごとに、ゲームマスターが訂正するというやり取りが、ゲームのテンポが悪くなり、嫌だと感じてしまう人もいるようです。

 

以上、こんな感じですかね。
この問題は自分がプレイヤーやゲームマスターとして体験した場所でもおきました。なのでこの問題に対して、自分がどういう対策をしたかってのを書きますので、良かったら参考にしてくださいね。

【とりあえず目星をしたらペナルティ】

『とりあえず目星』をしたら、キャラクターに嫌なことがおきてしまうというのを、プレイヤー了承の上で一回やってみましたが、やめました。

理由としては、とりあえず目星→SANチェックにすると、その行為が平気な人は、とりあえず目星→SANチェックの流れが何回も発生して、更にテンポが悪くなったからです。

ただこれを、とりあえず目星→耐久力が1減るというルールにすると、テンポは悪くならないと思うのですが、中々に鬼畜ですよね。
とりあえず目星をするごとに、ゴリゴリ耐久力が減るのは、ちょっと楽しいかもしれませんが、キャラが死んだときの死因をどうすればいいのかがわかりません(まあ、そのルールでやると、とりあえず目星を使う人はいなくなると思いますが……)

【ハウスルールにする】

とりあえず目星に対して「何もないです」、「対象を選んでください」というやり取りが面倒な場合は、ゲームをする最初の注意事項に『技能を使う場合は、対象を選んでください。拳銃を使う場合は、相手を選びますよね?なので目星使う場合も、対象を選んでください』と、最初に宣言すれば、途中でうっかり「とりあえず目星」と言ってしまうケースはありましたが、多少は防げました(が、後にやめました。理由は「プレイヤーがちょっと窮屈かな?」と思ったからです)

そのうっかりすらも嫌な場合は、『目星はプレイヤーではなく、ゲームマスターの判断で、ゲームマスター自身がダイスを振る』というハウスルールを作れば、更に防げるとは思いますが、自分はやったことがないのでわかりません。

【無理に目星使わなくてもええんやで】

『ハウスルールにする』と似ているのですが、シナリオの最初に「目星振らなくても、おかしいなって思った所は、技能を使わずに探しても情報は入手できるよ」と言うだけでも、とりあえず目星は防げました。

初めてTRPGをプレイした人の中には「何かをする場合は、絶対に技能を振らなくてはいけない(話しかける場合でも)」と不安になっている人もいます。

そういう人に対して「別に話しかけたかったら自由に話しかけていいし、探したかったら好きに探していいですよ。必要であればコチラから、〇〇の技能が必要と言うので(自分から技能使っちゃ駄目というわけではありません)」と言うだけで、安心してくれた人もいました。

なので、最初にこういうことを言っても、別に良いのではと思います。

【目星ありきのシナリオをやらない】

ゲームが始まり、探索していて部屋に入ります。そこでゲームマスターが部屋の描写とは別に「〇〇の技能を使えば、更に情報がわかります。目星は必要ないです」と言えば、『とりあえず目星』は防げますが、ちょっとプレイヤーが考える楽しみが少し減ってしまうかなとも思います。

しかし、これは能動的に動くのに慣れていないプレイヤーにはとても親切な方法だと思います。

【目星を振ることで違う楽しみを用意する】

自分のイベントでは、対象のない目星の成功には、適当なアイテムがランダムで入手できます(セミ、クワガタ、ヘアピン、ティッシュ)

そうすることによって、『目星が意味のない行動だった』という時間はなくなりますし、こういうアイテムがプレイヤーの発想で化ける時があります(子供とTRPGした時は、子供が「手にクワガタ装着したら攻撃力上がりませんか!」と提案したのでOKしました)

ただ、これは各々のTRPGの雰囲気とかもあるし、結果的には本筋とは関係ないので、オススメはしません(※あと、目星以外の技能には、違う楽しみを用意してはいないってのもあります)

【釘が刺さる】

TRPGの『テンポが悪くなる問題』の時に考えたものです。

僕は『とりあえず目星』が悪いのではなく、『ダレる』ということが悪いと考えています。

これが目星じゃなくても、『技能が1%しかないのに、毎回ダイスを振る(新クトゥルフ神話TRPGだと幸運でどうにかできる部分はあるけど)』『考えなしに技能を使う(とりあえず図書館、とりあえず聞き耳など)』というのが、やはりテンポを悪くしてしまうのかなと思っています。

なので、僕が用意したのは『釘』です。

僕はシナリオの最初に「自分のシナリオでは目星などでファンブルした場合、探索者はバランスを崩して、釘が刺さります。1d6のダメージです。なので技能は良く考えて使ってください」と言っています。
そうすることによって、プレイヤーは、部屋に入って「とりあえず目星」と言わずに「〇〇の場所が怪しいので探してみたいです」というのが多くなりました。

あと、ダレると関係ないのですが、技能振るときもパーティ内でよく相談するようになりました(「技能を適当に一斉に振らずに、一人一人振ろう」みたいなやり取り)

ただ、これも自分のシナリオでは耐久力を回復しやすいようにしているので、オススメはしません(ダメージ量を減らせばいいのかもしれません)

 

【まとめ】

とまあ、以上こんな感じです

で、この『とりあえず目星』に関してですが、自分は賛成だったりします。

確かにテンポが悪くなったり、楽にヒントを得ようとしている風に見える部分はあります。しかし、これを「嫌だ」と言ってしまうと、TRPGに慣れていない人が窮屈な想いをしてしまうのかなと思いました。

もちろん「初心者のうちはOK」っていうのもわかりますが、じゃあ、どこまでが初心者なのでしょうか。僕にはわかりませんし、『対象を絞る』ことや、『謎に気づくことがTRPGを何回やっても慣れない人』だっています。

なので、僕はTRPGをやっていて、不都合があることは、ゲーム内のルールとして、できる限り決めていってます。ただ「やめてください」ってよりは

1:基本的に目星を使わなくてもシナリオは進めるようにする。
(目星が重要な場合は先にいうか、シナリオ内でどうにかする。また「〇〇の技能を使えばもっとわかりますよ」などのヒントは率先して言う)

2:対象のない目星はゴミを拾わせるか、アイテムを拾わせる。

3:基本的には目星のファンブルした場合は1d6の釘が刺さる。

というようにゲーム内でルールを僕は決めています(もちろん、ルールとして決めれないこともありますが)

実際に、TRPGを子供とかやる時はこっちの方が楽でした。

例えば、オフラインで子供とTRPGで遊んでいると、子供が楽しくなってくると、ダイストレイにダイスを振らないで、思いっきり投げたりすることがあります。

そういう時に注意しても中々きかないときはあったのですが、「ダイストレイに入れないと技能が自動失敗になります。なぜなら君の操るキャラが焦ってしまったからです」と、ゲーム内のルールにすると、ダイスを投げるということはなくなりましたし、逆にダイストレイからはみ出た時も自分で反省したりして、盛り上がりました(ダイストレイをはみ出したお父さんとかに「ダイストレイからはみ出しちゃ駄目!」と怒ってて面白かったです)

 

確かに、自分自身も、『何もない部屋』で探索者がとりあえず目星をして、「何もないです」と返すこともあります。

その時はアドリブで「ホコリが舞っている」とか、「カラスの鳴き声だけが聞こえます」とか、何も思い浮かばなかったら、「もうここは探索する必要はなさそうだ(バイオ風)」に言って、アドリブで返すのも好きです。

 

あと、賛成の意見がもう一つあって、『TRPGに慣れていない人』、『TRPGやったことあっても緊張している人』にリラックスしてその世界に慣れてほしいというのがあります。

なにかをプレイヤーがチャレンジした時に「やめてください」、「対象を絞ってください」と言えば、一発で済むのですが、できたら、『そのチャレンジや発想に対して、拡げていきたい』のです。

確かに「対象を絞ってください」は、アドバイスにはなっているのですが、プレイヤーが「あ、じゃあわからないので、やっぱりやめます」といわれると悲しいです。なので、僕は「対象に絞って目星で捜査しますか? それとも無対象でゴミ拾いしますか?(無対象の目星でもクリティカルが出たら、探索のヒントを渡したりします)」と聞いています。

やはり、ダイス振る感覚や、技能を振る感覚に慣れて、その場に没入してほしいというものがあります。また、『ファンブルしたら釘が刺さる』に関して言えば、全員が一斉に技能を振るわけにはいかないので、誰かが技能を振ることになります。

そんな中で、緊張しているプレイヤーのキャラが目星の技能が高かったら、他のプレイヤーから「目星頼んだぜ!」と言われて、パーティに溶けこめるのです。

結局のところ、この『とりあえず目星』に関しては、目星が悪いと言うよりは、『テンポが悪くなる、楽に情報を得ようとする行為』が良くないのであって、『とりあえず聞き耳』、『とりあえず図書館』でも同じことがおきてしまうような気がして、それだったら注意するよりはゲーム内のルールで楽しめれば良いというのが僕の結論です。

 

ただ、僕のやり方だと、「なんで、そこまでプレイヤーに譲歩せねばならんねん」、「ゲームマスターのアドリブばかりしていたら、ゲームマスターに負担がかかる」という意見もわかります。なので、オススメはしません。『ゲームの最初に目星の使い方を言う』ぐらいで良いのかなと思います。

じゃあ、何でそんなこと自分がするかって言うと、僕はその方が面白いのです。

『とりあえず目星』に対して、適当なアドリブや、ランダムで造ったゴミ表(50個)の中から適当にゴミを拾わせ、ファンブルが出たら釘をキャラクターに刺し「目星しない方が良かったねぇ~」とニヤついて、みんなでワイワイやる方が楽しいのです。

TRPGをやっていると、「あーここストレスだなぁ」って思う時はたくさんあります。でも、それをゲーム内のルールにすると、結構盛り上がるし、楽しかったりします。やっぱりお互い楽しくやりたいです。だって楽しいことをしているのですから。

なんか長々と語ってしまいました。

まとめると、対象を絞って目星をされた方がやりやすいが、『とりあえず目星』という行為をされても、それはそれで楽しく処理をするので、別に気にしない!

1行で終わりました!

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