ロストって何?
ロストとは、TRPG中にゲームから退場し、プレイキャラクターとして再入場する事が出来ない状態を意味します。
簡単に言ってしまうとゲームオーバーに近い状態です。
今回はこのロストについての説明と、ロストについての様々な考え方などを簡単に紹介します。
詳しことが知りたい方はルールブックの購入をオススメします。
今回の内容
そもそもロストの種類とは
ロストについてネットで調べると、クトゥルフ神話TRPG関係が多いです。
ただし、ルールブックには載っておらず、どうやらスラングのようです。
一般的なロストは死亡のことを指すようですが、『ゲームから退場』ということに絞ってみると色々なロストがあります。
・死亡
その名の通り、もう生きていない状態を指します。耐久力が0になり、すぐに適切な治療などをしないと、死亡しゲームから除外されます。
・意識不明
死亡ではないですが、重傷を負ってしまった、または毒などによりまともな行動ができず、今回のゲームには参加できない状態です。
もしかしたら、回復し、すぐに参加できる場合もあります。
・不定の狂気
ショックなことに遭遇し、SANチェック(正気度ロール)でゴリゴリSAN値(正気度)が削られていき、不定の狂気になってしまうことがあります。
その場合、6版では『しばらくの間、ゲームから除外される』とハッキリ書かれています。
7版ではハッキリとした記述は見つからなかったのですが、『狂気の発作中はプレイヤーからKP(キーパー:ゲームマスターと同じ意味)の手に委ねられる』と書かれています。
なので、KP次第な部分はありますが、暫くはそのキャラクターをプレイできないのであれば、それもロストのような気がします。
・永久的狂気
SAN値が0になってしまう状態です。こうなってしまうと死亡ではないですが、完璧に狂気に陥り、ゲームから除外されます。
一応、永久的狂気からの回復をKPは決めていいらしいのですが、回復=復活とは書かれていません。
また、『以前の生活に戻れるような特別扱いを権利のように求めてはいけない』とも記述されています。
ロストしたらシナリオで使えないのか?
ネット上でよく見るのが、『死亡したら悲しい!』って意見です。そりゃそうじゃって話です。
言うなればデータ削除みたいなものなので、で、これについての考えをルールブックや世間ではどう捉えているかを簡単に紹介します。
ということで、まずはルールブックから。
・そもそもの目的を忘れてはいけない
クトゥルフ神話TRPGの目的は、『宇宙的恐怖に立ち向かい、地球を従属させようとする連中の野望を阻止すること』です。
よく『巻き込まれて必死に逃げる』ホラー的な物語と勘違いされそうですが、アクションホラーに近いのかなと思っています。
そして『その野望を阻止するためなら探索者一人の死など小さなことだ!』と書かれています。
結構ひどいです。
もちろん、後ほど書きますが『命を粗末にするな』ってことではありません。
ただ本質は『戦い、傷つき、何かを失ってしまう前提』のゲームということです。
・雑に殺さない
『クトゥルフはすぐロストしてしまうから雑にキャラクターを殺してもいいんだ!』ってわけじゃないです。
寧ろ逆で、できる限り死亡などは避けるように書いています。
手加減したりヤラセは推奨していません。
またどうしても死亡してしまう場合は、劇的な感じを描写し、それが無意味ではないことをキチンとプレイヤー間に共有していきます。
・徐々にいたぶる
どうしても死亡させたくない場合、『ステータスを削る』という方法もあります。
例えば、16ダメージの弾丸がキャラクターを襲いますが、胸に当たらず腕に当たり、二度と使い物にならなくなってしまうというケース。
この場合、耐久力は減らず、DEX(敏捷)やSTR(筋力)の数値を下げる救済方法です。
もしくは『顔をかすった』などにし、APP(外見)を下げ、それに付随しそうな対人系の技能(説得や魅惑など)を下げてしまうという方法もあります。
※ただこれはシステム上のこともそうですが、センシティブなことであるので、プレイヤーと相談したうえで決めた方がいいです。
世間ではどうしているのか?
では、次に世間ではどうしているのでしょうか。
世間のシナリオや自分自身の対策を書きますので良かったら参考にしてみてくださいね。
・ロスト救済シナリオ
簡単に言うと復活です。
例えば……
- 死んでいたと思っていたが、奇跡的に復活した。
- なんらかの神の力を借りて復活した。
- 人間として死んでしまったが、神話生物となり復活した。
などなどです。
ただこれ当たり前ですが、冷める人は冷めます!
もちろんそこに特別な意味や、すぐの処置からならわかるのですが、時間が経過した後のキャラクター復活に疑問を持ってしまう人は結構います。
・別世界説
簡単に言うと『そのKPが主催するシナリオ上ではロストしたが、他のシナリオならOK理論』です。
つまりは、シナリオAでロストしたとしてもシナリオBでは出していいってことらしいです。
これどうなんですかね。
確かに、世界線が繋がってないのならそうなのかもしれませんが、似たような別のキャラクター作った方がトラブルは少ない気がします。
もちろん、今まで入手した魔導書やアーティファクトがもったいないってのはわかるのですが、絶対に事前にKPに相談した方がいいです。
・系譜を受け継ぐ
これは僕がやっているものです。
結果的にはロストはしてしまうのですが、シナリオ途中でロストしてしまった場合、次に作るキャラクターは『前にロストしたキャラと関係性』があることにしています。
息子、親友、一族や組織内の人間がその意思を受け継ぎ、ロストしたキャラに変わって戦いに赴くといったもので、言うなればジョジョの奇妙な冒険みたいな感じです。
場合によっては、ロストしたキャラの神話技能やアイテムなどを受け継ぐのも許可しています。
こうすることによって、ロストしたキャラがただの残機ではなく、物語上のキーとなって新たなキャラに受け継がれますし、周りのプレイヤーにも共有できます。
そのロストしたキャラの除外も無駄ではなかったのです。
ラヴクラフト作品もそういった展開が多いので、割と原作再現なのではないでしょうか。
まとめ
長くなってしまいましたが、まとめると……
- プレイヤーはロストを覚悟する
- KPは雑にロストさせない
- 救済などはあるかもしれないがそれを当然のように思わない
といった感じでしょうか。
因みに僕はキャラクターに愛着を持ってしまうのですが、昔、TRPGを一緒に遊んだ友人に「キャラが死んだとき悲しくない?」と聞きました。
そしたら「悲しいが、キャラクターは一期一会なので、その一緒にいた時間を想い出として大事にする」と言っていました。
自分はその境地にはなかなか行くのは難しいですが、今日も元気にキャラクターを一生懸命生存させながら、邪神の復活を阻止するために戦います!
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