古のものってなに?ー神話生物を紹介その16
古のもの……地球の支配者だった存在。今回はこの生物を紹介します。
というわけで、クトゥルフ神話TRPGにでてくる化け物……通称『神話生物』を紹介しますが、軽く説明し、実際、シナリオで使ってみてどうだったかを紹介します。SAN値チェックしながら見てくださいね!
神話生物についてはこちらの記事をどうぞ↓
神話生物ってなに?
今回紹介するのは『古のもの(英語でElder Thing/Old One)』という種族で、その昔地球に住んでいたと言われる神話生物です。
ラヴクラフト全集などでは、旧支配者と呼ばれていますが、クトゥルフの神様と混同されてしまうことがあるので、別名として『古のもの』と呼ばれていますが、今では、この名前が定着しつつあります。
とにかく情報量がめちゃくちゃ多い!
人類の歴史みたいに、年代によって文化などが違いますので、地球で繁栄した時のことを基準にして簡単に書きます!
粘土で作ってみました。ヘタクソだけどお許しを!
【基本的な特徴】
・見た目
・見た目は、黒っぽい灰色の樽上の胴、黄色がかった突起を持つヒトデ状の頭部、明るい灰色の膜状の翼で折り畳み可能。
・大きさは約8フィート(2m半)程度、翼の大きさは7フィート(2メートル程度)(6版ではSIZ28程度、7版ではSIZ140程度)
・部分的には植物であるものの、4分の3は動物の組織に必須のものが備わっている。
・活動場所
歴史
- まだ生まれたばかりの生命の存在しない地球に、他の星々から到来し、食物や、自分たちの代わりに重労働をする奴隷生物を創り出していたが、後に、その無機物から新しい生命を創造する技術は失った。
海と陸に住む者で多少の文化などは変わるが、大多数が海中に棲み、針のような尖塔が多くある都市を築き上げた。
しかし、同時代、他の星々から到来してきた名状しがたい敵たち(クトゥルフの末裔、ミ=ゴ)や、自身で作り上げた奴隷生物(ショゴスの反乱)、災害、などで能力や技術、住処などが失われていった。
クトゥルフの末裔との戦いでは、都市などを破壊されたが、相手の都市(ルルイエ)も道ずれにした。しかし、この戦いがトラウマになっている。
ショゴス(テケリリでおなじみ)の反乱は完全に鎮圧したが、その労働力に依存していたため、完全に滅ぼすことはできなかったが抑制はした。
ミ=ゴとの戦いでは北方の土地にいる古のものは駆逐された。
※という話なので、今現在その姿はほぼいないに等しいです。
・コミュニケーション
・言語というよりは、広音域に渡る笛のような音を出していたと思われる。
※ネットで調べると『テレパシーで会話する』と書かれていましたが、正しい出展がわかりません。
・食べる物
・植物のように無機物から養分をとることができるが、動物を食べることを好み、狩猟や肉になる動物を飼育する。海中では海洋生物を調理せずに食べたが、陸上では食物を調理する。
・作った生物の中に猿と人間のようなものがいて、これら食物用、もしくは弄ぶ用。
・寿命
※寿命は長命であると書かれていますが、具体的な数字はわかりません。
・倒し方
・弱点らしいものもなく、装甲などはあるが、強大な物理などで押し切れば勝てる。
・その他
・僅かだが、呪文を知っている可能性がある。
・ショゴスの「テケリ・リ! テケリ・リ!」と笛を吹くような音の鳴き声は、古のもの発声を真似している。
【能力】
・通常の気温ならどんなものにも耐えることができ、自然な状態で凍りつくような海中でも生活することができた。
※しかし、大寒波が到来した時は、陸上に棲んでいたものたちは、人口の暖房をふくむ特別な手段に頼っています。
・身体が丈夫で、大きな災害や暴力以外ではほとんど死ぬことはないはずだが、この地球で災害や暴力に巻き込まれている悲しい生物。
・頭部に備わる主要な5つの触覚の先端にある眼を、使い続け、ごく普通のやり方で彫刻や筆記を行う。細長く分かれた触覚は繊細、柔軟、強靭なもので、芸術活動をはじめ、全ての手仕事において、この上ない器用さ・巧みさを発揮する。
・陸上、空中、海中、自らの力で高速移動できるので、外的手段は使わないが、海中ではショゴス、陸上は奇妙な動物の役畜に運ばせている。
・7ポイント軽減できる皮膚を持っている。
〈失われた能力〉
・膜状の翼によって星間宇宙を飛ぶことができたらしいが、地球に長くいたため、後にその能力も失われた。
・昔は化学薬品の力で食事や呼吸など、ほとんど関係なく生きられるようになったらしいが、大寒波以降はこの方法も失われた。
【考え方】
・科学や工学の知識は現代の人間をはるかにしのいでいたが、機械に頼る生活は好まず、必要に迫られなければ、使うことはない。
・政治体制は複雑で社会主義らしい。
・旅はするが、移民などは稀。
・衣服などは着ない。
【宗教や文化】
・年代記などを彫刻している。
・小さい五芒星形を貨幣として用いられている。
・埋葬場所は五芒星形のがある。
・一部農場や家畜の飼育や、鉱石の採掘やごく限られた生産も行われていた。
・知的・美的な生活が高度に発達していたが、これらも後に衰退していく。
・胞子で繁殖し、家族などは持たないが、気心あう同士が一緒に住むことはある。
・年代にもよるが、古のものの部屋は、照明は電気などの化学的な性質の装置でなされているらしい。奇妙なテーブル、椅子、骨組みが円筒状でできている寝椅子があり、休む時は触覚を折りたたんで直立した状態で休む。
【人間との関係】
※『狂気の山脈にて』で主人公は、彫刻を通して、詳しい情報を知ることはできましたが、最後まで生きた古のものに会うことはできませんでした(無残に殺された古のものは見つけています)
しかし、時代に翻弄されながらも、一生懸命生きぬいた古のものに対して『知的で我慢強い存在、何であれ彼らは人間だったのだ』と評価しています。
【持ち物】
・古のものの水晶
・マジックポイントを貯蔵するための水晶。マジックポイントの数に比例して冷たくなっていく。
・偉大なる白き空間
・何光年も離れている空間を繋ぎ、宇宙間を移動するために使う。
・パラジウムの箱
・二つの美しい彫刻が施された白銀の箱。精神(POW)を吸収し、他者に移すことができる。
※これらの設定は、クトゥルフ神話TRPGのルールブック(6版)に載ってある設定だったりします(パラジウムの箱はキーパーコンパニオン)
『狂気の山脈にて』では、アーティファクトやテクノロジーを使う描写がなく、ルールブックでは魔力を扱う道具などが紹介されていて、驚いています。
逆に『狂気の山脈にて』では、『戦争などの際は分子や原子を攪乱する武器を使用する』と紹介されていますが、どういう武器かはよくわかりません。
【出典(データ&ステータス)】
今回の古のものに関しての基本的な情報は
- 『クトゥルフ神話TRPG(6版)』
(6版の基本的なデータやステータスを掲載) - 『新クトゥルフ神話TRPG(7版)』
(7版の基本的なデータやステータスを掲載)
※詳しいステータスは、上記のルールブックから参照してください。
そして、『ラヴクラフト全集〈4〉』に掲載されている『狂気の山脈にて』では、作品を通してその生活が事細かに描かれています。
・フリー素材
やはり、少しマイナーな種族であるため、いらすとやにはなく、画像、立ち絵、イラスト、素材、フィギュアなどは見かけませんでしたが、少なからず存在します。
リアルなのもデフォルメされたのも似通っている部分があり、どちらもかわいいです。
↑こちらはイラストACのいちょうさんのムーンビースト
特徴すぎる見た目のせいで、擬人化はありませんでした!
粘土でクトゥルフでもフリー素材を配布していますので、よろしければご活用ください。
【古のものに関する主観的な感想】
ここからは、古のものを自分のイベントで使った感想を、主観100%で言います。方向性が自由な神話生物です!
・あなたはどの古のものが好き?
時代によって文化や状況が違うので、色々な描写を試すことができます。試しに分けてみました。(舞台は遺跡探索という設定で)
A:古のものは滅び、残された壁画だけがあなたに情報を与える。そこには文化も書かれているが、古のものの他に冒涜な生物たちの壁画もあった。その生物は実はまだ生きていて、遠くの方からあなたに襲い掛かってきた。
B:古のものは生きてはいるが、もはやテクノロジーもなく、ひっそりと生きている。生き残っている古のものと意思疎通ができるかはシナリオ次第。
C:宇宙空間には古のものがまだいて、そのテクノロジーの凄さにあなたは触れていく。そして頭がおかしくなってもよい。
という感じで、壁画だけでもその存在をアピールできるし、テクノロジーや使役されていた生物をだしても良いのかなと思っています。
・彼らは人間だったのだ!
イスの偉大なる種族と似たような感じで、もし出会っていたのならば、意思疎通は可能なのではないのかな思っています。
その時にシナリオの鍵となりサポートする存在とかできたら楽しいですよね。
・彼らは人間じゃなかったのだ!
『狂気の山脈にて』では、作った生物の中に猿と人間のようなものがいて、これら食物用、もしくは弄ぶ用と書かれています。
もしかしたら、普通に『人間=家畜』みたいな考えで、襲い掛かってくるかもしれません。
もし、食べられなかったとしても、ショゴスや翼竜などを奴隷にしているので、『人間=奴隷』という考えで襲い掛かってくるかもしれません。戦うしかない!
【まとめ】
こんな感じで、自分のイベントに出てきた神話生物を粘土フィギュアにして紹介しますので、神話技能を増やしつつ見て頂けたら嬉しいです。
って情報量多すぎぃッッッ! イスの偉大なる種族なみに多いですし、時代ごとに変化が起きてくるので、イスの偉大なる種族以上に難解でした。間違った情報を書いていたらすいません。
イスの偉大なる色が『時間からの影』を読めばわかるように、この古のものも『狂気の山脈にて』を読めば、全てがわかると言っても過言ではないです。
あと、ショゴスのこともわかります。
因みに『時間からの影』ではイスの偉大なる種族に精神を乗っ取られています。
どこまでも不遇な扱いだが、それでも彼らは人間だったのだ!
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