一時的狂気ってなに?
以前、狂気ってなに?で狂気について書きましたが、今回はザックリと1個1個の狂気を説明するのと、クトゥルフ神話TRPG(6版)と新クトゥルフ神話TRPG(7版)を軽く比較します。
というわけで、今回は一時的狂気について解説します。
今回の内容
【狂気を判定する】
人間生きていれば、ショックな出来事に遭遇することは何度もあります。好きな人に振られた、ゴキブリを見た、変質者に襲われた、心霊現象を体験した。
そういうことを体験した時に「あーもうだめだー(泣)」って人もいれば「大丈夫、俺はまだ耐えられる」って人もいます。
クトゥルフ神話TRPGでは、そのショックな出来事に対して、耐えられたかどうかの判定をします。巷ではSANチェックとか、SAN値チェックとか呼ばれているワードです。
で、ショックな出来事があった時に、1d100(100面ダイス)を振って、現在のSAN値より上が出たら、SANチェックが失敗となり、SAN値が減るのですが、1d100を振って、SAN値以下が出ても減る場合があります。
(もちろん、失敗した方が減少する値が大きくなる場合が多い)
詳しくはこちらの記事をどうぞ→SANチェックってなに?
このSANチェックがクトゥルフ神話TRPGの代表的なシステムの1つです(正式名称はSANチェックではなく正気度ロール SAN値ではなく正気度ポイント)
【一時的狂気】
ここに佐藤花子というSAN値が50のキャラクターがいたとします。
その佐藤花子の目の前に2mの巨大なインコがいました。びっくりしてSANチェックをしました。
1d100を振って、ダイスの目が52でした。その場合、SANチェックは失敗し、SAN値が減少します。
どれくらいSAN値が減少するかは、KP(キーパー:ゲームマスターと同じ意味)が『-1d6(6面ダイスを1回)』と決めました。
ダイスを振ります。出目が5で、佐藤花子はSAN値が50→45になりました。
この瞬間、佐藤花子は1d100を振って、アイデアを振ります。
アイデア失敗なら「怖いけどよくわかんなかったなぁ」で済みますが、成功だと「あのインコは巨大な口ばしで私の喉笛を切り裂くかもしれない。巨大な羽で肋骨をへし折ってくるかもしれない……」と物事を完璧に理解しようとします。
佐藤花子のアイデアは50です。1d100を振って、アイデア以下をだしてしまうと恐ろしいことがおきます。
普段はアイデアに成功すると、ひらめきやなにかしらの発想が思いつくのですが、このSANチェック失敗で、5以上の減少がでてしまった時に、逆にアイデアは成功しては駄目です!
ダイスを振ります! 出目が38だ! 残念、アイデアは成功してしまった! 佐藤花子は、目の前の巨大インコの恐ろしさを完璧に理解し、恐怖に屈してしまい、発狂します!
みたいな感じで、キャラクターが一度に5ポイント以上のSAN値が減少すると、一時的狂気になります(通称:発狂)
・6版の一時的狂気
6版では一度に5以上のSAN値が減少すると、ルールブックに載っている一時狂気表というものを参考にして、狂気の症状を決めます(ヒステリーになったり、金切り声になったり)
そして、その症状が終わったら不安の症状は残るかもしれないという感じです。
・7版の一時的狂気
一度に5以上SAN値が減少すると、一時的狂気になります。ここまでは6版と一緒です。
しかし、7版は一時的狂気になると、狂気の発作という、パニック症状が起きます(6版でいう狂気の症状)これは、6版と同じく基本的には、狂気表に従って決めます。
それとは別に、KPとプレイヤーが相談して、探索者のキャラシのバックストーリーを修正したりしても良いです。
(『愛国心が強い』というだけのキャラだったのに『自分の国以外はすべて見下す』と思ってしまうとか)
更に、この狂気の発作が収まっても、一時的狂気が治まるわけではありません。
パニックが収まっても、心は動揺しています。
そんな中で、またショックな出来事に遭遇し、SANチェックをして、1ポイントでもSAN値が減れば、また狂気の発作が起き、発狂します。
つまりは一時的狂気中は下手すれば発狂祭りになります。
【どういう場合に減るか?】
クトゥルフ神話TRPGにおいて、SAN値ってどういう場合に減るかって話なんですが……基本的にはショックな状況になるとSANチェックになり、そのSANチェックに失敗すると減ります(成功しても減る場合はあります)
その他にも、呪文を習得する場合や、呪文を使う場合だとSANチェックなしで減る場合があります。
呪文などについてはこちらをどうぞ↓
クトゥルフに魔法ってあるの?
そして、超自然の存在、神話生物と呼ばれる怪物や邪神と遭遇した時にもSANチェックはありますが、邪神の場合は、下手すればSAN値が1d100減ります。
ただ、ヒグマとかに遭遇してもSANチェックはおきません。
もちろんKPの判断で、SANチェックしてもいいですが、何故動物関係はSANチェックがないかは、それはクトゥルフ神話TRPGのシステム的にSANチェックは『絶望的な状況や命がけの状況』でするものではなくはなく、『不可思議な現象、理解が追い付かない恐怖』に対しておきるものなのかもしれません。
【狂気の一覧】
では、実際どういう狂気があるのか? という話ですが、今回、無料で遊べる新クトゥルフ神話TRPG(7版)のクイックスタートに載ってある一覧を紹介します。
<1:健忘症>
探索者は、最後に安全な場所にいた時からあとに起こった出来事の記憶を持たない。
<2:身体症状症>
探索者は狂気によって視覚や聴覚に異常が生じたり、一つまたは複数の四肢が動かなくなったりする。
<3:暴力衝動>
探索者は抑えの利かない暴力と破壊が敵味方を問わず周囲に向かって爆発する。
<4:偏執症>
探索者は重い偏執症に襲われる。
誰もが探索者に襲いかかろうとしている!
「信用できる者はいない! 監視されている。裏切ったやつがいる。そしてこれは罠だ」
<5:重要な人々>
探索者のバックストーリーの重要な人々を見直す。
探索者はその場にいた人物を、自分にとっての重要な人々だと思い込む。
人間関係の性質を考慮した上で、探索者はそれに従って行動する。
<6:失神>
探索者は失神する。
<7.パニックになって逃亡する>
探索者は利用できる
あらゆる手段を使って、可能なかぎり遠くへ逃げ出さずにはいられない。
それが唯一の車両を奪って仲間を置き去りにすることがあっても。
<8.身体的ヒステリーもしくは感情爆発>
探索者は笑ったり、泣いたり、あるいは叫んだりし続け、行動できなくなる。
<9.恐怖症>
探索者は新しい恐怖症に陥る。例えば、閉所恐怖症(壁に囲まれた場所が怖い)、悪魔恐怖症(悪魔が怖い)、ゴキブリ恐怖症(ゴキブリが怖い)といったものである。恐怖症の原因は存在しなくとも、それがそこにあると思い込み続ける。
<10.マニア>
探索者は新しいマニアに陥る。例えば、洗浄マニア(自分の体を洗わずにはいられない)、ペテンマニア(うそをつくことへの不合理な強迫的衝動)、蟲マニア(蟲に関する過度の嗜好)といったものである。
【まとめ】
以上、一時的狂気についてでした! 6版も7版も一時的狂気は、長くて数時間近くかかる場合もあります。
他にも、細かく書くと、面白いシステムはあるのですが、詳しく知りたい方はルールブックの購入をオススメします。
そんな感じで、次は不定の狂気についての紹介をしますのでよろしくお願いします。
不定の狂気ってなに?
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